アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】未だに残る人種差別の影。黒人に尿を飲ませた男2人が逮捕。(南ア)

今回の事件は目を背けたくなるほど陰湿で低俗ないじめとも言える。アパルトヘイトが終わったとはいえ、南アで未だにしこりとなっているのが人種差別。ある家具工場では夜シフトで働いていた黒人男性らが暴力や人種差別をされたことで警察へ駆け込んだ。

事件が起こったのは4月5日の夜、産業地区にある家具工場で起こった。

被害者は21歳、25歳、32歳の男性ともう1人未だに発見されていない男性の計4人。彼らはコーサというアフリカの言葉を話す人種で、仕事が欲しくて近所の大工職人のところを尋ねた。すると夜7時半から朝5時までの夜シフトで働く仕事があると言われ、その家具工場を訪れた。

最初の夜、4月5日、上司2人は非常に優しかったそうだ。そして夜9時になると上司らは酒を飲みだし、人が変わったという。彼らは4人に暴言を吐いた。

そこで帰っていればよかったのだが、お金が欲しかった4人は我慢して残ることにした。それが気に食わない上司の1人は、4人のうち1人の腕をつかんで電気のこぎりのところへ連れて行き、「手を切断してやる」と脅した。そして、被害者のうちの1人に電気のこぎりのスイッチを入れるように言ったが、彼はそれを拒否。もう1人の上司がスイッチを入れたが、彼(被害者の男性)はすぐにスイッチを切った。その態度に怒った上司たちは男性に殴る蹴るの暴力をふるい、「お前はズマ(現大統領)だ!」とののしった。

この状況を見た被害者4人のうち2人がその場から逃げ出した。残ったうちの1人はANC青年同盟のリーダー「ジュリウス・マレマ」と呼ばれて、歌を歌えと言われたそうだ。さらに「なぜユージン・テレブランシュ(極右翼党首:Eugène Terre’Blanche)を殺したのか!」と責められたそうだ。マレマもテレブランシュも2人とも人種差別よりの発言や行動をしていた人物だ。

また、上司の1人は被害者にオーラルセックスを強制させた。さらに残りの2人にシャワーを浴びさせると言って浴室へ連れて行くと、上司はトイレで用を足し、2人の被害者の頭を用を足したままのトイレに突っ込んでその水を飲ませた。被害者の1人が泣き出すと、上司は腹を抱えて笑っていたそうだ。

結局、残りの2人も工場を抜け出して警察へと駆け込んだ。

この事件に憤ったのは、被害者4人の住んでいる住人たち。上司たちを逮捕するように警察へ怒鳴り込んだのも住人たちだ。4月12日午後、警察は上司の男2人を逮捕した。

しかし住人たちは警察の対応が遅すぎることにも怒りを表す。住人たちは、上司らは白人だと思っていたそうだが、警察の発表によると上司はカラードという、アパルトヘイト時代に黒人と白人の間に位置づけされていた人種だった。

人種差別が未だに色濃く残っていることは否めないが、それにしてもいじめ方が低俗すぎる。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)