日本でも一時、ある飲食店で猫の肉を使っているという噂が流れたことがあった。それはあくまでも噂にすぎない。しかし南アフリカのプレトリア北部にあるスーパーの冷凍貯蔵室からは、猫だけでなく様々なアフリカらしい動物の死体が出てきた。
2月7日、警察はプレトリア北部にあるGa-Rankuwaというタウンシップのスーパーを閉鎖した。スーパーの冷凍貯蔵室から猫の死体が2体発見されたからだ。しかも1体はすでに皮をはがされた状態だったそうだ。
この貯蔵室は、南アフリカ大手スーパーマーケット『ショップライト・チェッカーズ』から数百万ランドを盗んだとして16名を逮捕した別件から発覚した。16名の中に今回摘発された冷凍貯蔵室のあるスーパーのオーナー、ドス・サントスが含まれていたからだ。警察はサントスのスーパー内部を調べ始めた。
このスーパーの道向かいにある小さい農場のダムでも200匹以上のワニが発見された。しかもダムが非常に小さいため、ワニは重なるように横たわっていたそうだ。しかし後日、警察官が自然保護員らとともに訪れると、200匹いたはずのワニは20匹になっていた。どうやら土曜日の夜に車で運び出されたと思われる。警察はいなくなったワニの行方も捜査している。
この冷凍貯蔵室からはさらにスーパーにはありえないものが次々と発見されている。すでに凍っている小さいワニ4体、皮をはがされたシマウマが1頭、そして明らかに外部で死んだと思われる動物の肉。警察は、これらの肉が加工されてボールウォース(南アフリカ独特のスパイスが練りこまれているソーセージ)になって売られている可能性が高いことを示唆している。さらには乾燥した皮が張り付いたままの古いワニの頭部、動物の皮、バブーン(野生の凶暴サル)の頭部、アンテロープの頭部、絶滅危惧種のワイルドキャットが数頭と、スーパーの貯蔵室とは思えないものが発見されている。
警察ではこのスーパーのオーナー、従業員、トラックドライバー、小売店、警備員が関わっている犯罪組織に1年ほど前から目をつけていたそうで、ショップライト・チェッカーズからの窃盗被害を契機に逮捕までこぎつけた。
南アフリカのブライ(BBQ)には欠かせないボールウォースに猫やワニやシマウマの肉が入っているかと思うと、やや躊躇してしまう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)