1月1日午前2時15分頃、バー内部で喧嘩が発生した途端に惨劇が起こった。人々が逃げ惑い、出口に向かって突進したため男女10名が圧死した。
事故が起こった南アフリカのノースウェスト州にあるタウンシップのバーは、黄色いこぢんまりとした建物。入り口は小さい青い扉が一つ。その中ではニューイヤーパーティが行われ、バーは満員御礼といわんばかりだった。そんな中での小さなパニックが人々を出口へ突進させ、10名が圧死するという悲劇が起こった。
被害者は男性7名に女性が3名、18~25歳だった。家族は現場ですでに状況を知っていたが、月曜日に遺体安置所へ出向き身元確認などを行った。「2011年は最悪の年だ」と涙ながらにテレビレポーターに語っている遺族もいた。一夜明けたバーの内部は素っ気無いもので、地面にレンガでできた椅子が両端にあるだけ、地面には逃げ惑った際に忘れられたビールの空き瓶が転がっていた。
警察はタウンシップの人々に「落ち着いて、自分たちでオーナーに制裁を加えないこと」「警察への協力」などを呼びかけた。また、事故発生の原因が客同士の喧嘩によるものと言われているが、警察で捜査中だ。遺族や地元の人々はこのような事故はこの小さいタウンシップには今までなかったとして、バーの前で抱き合って嘆き悲しんだり怒りを露わにしていた。
バーのオーナーは事故発生の1月1日に逮捕されている。月曜日に裁判所へ出頭したが今週の金曜日まで延期されることとなった。しかし、裁判所の前にはこれまた遺族などが押し寄せオーナーへの怒りを叫んでいる者がいた。
100人も収容できるバーに小さな出入り口が一つというのは、消防法などにひっかかりそうなものだ。混み合っているバーでは常に出口や非常口をチェックしておいたほうがいいのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)