アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】就学率10%。世界で最悪の学校はソマリア。国連が発表した世界の教育事情。

国連のミレニアム開発目標(MDGs)の一環で行われた「教育のためのグローバルキャンペーンthe Global Campaign for Education (GCE)」 の報告によると、ソマリアの学校が通うのに最も悪い環境にあるそうだ。国内情勢が極めて不安定なこの国では教育を受け入れる環境がまったく整っていない。

ソマリアの首都モガディシュで20年以上行われている内紛は収束するどころか日ごとに激化している。毎日銃声を聞きながら暮らす市民は心休まることなく、その影響は教育面にしっかりとあらわれていた。

多くの子供が軍隊へ強制的に入れられているソマリアは、今回の報告で「学校に通うということに関して最悪の国」とランキングされた。ソマリアでは小学校に通っている子供がたったの10%という最新報告を受けている。読み書きができない人が人口の70%以上いるという国は4カ国あるが、ソマリアはその中の一つである。エチオピア、チャド、ブルキナファソを差し置いて、ソマリアが世界貧困国60カ国のうち1位に輝いていることも教育を衰退させている原因でもある。

ちなみにナイジェリアの子供は最も教育を受けていない国として報告されている。これはソマリアのように決して国が貧しいからではない。ナイジェリアというと原油の生産が世界6位で、アフリカ大陸の中で最も富裕国なのだ。GCEによるとこれは国が教育への投資を何十年も行わなかった結果、学校システムの基盤がまったく作られなかったことが原因だとみている。

世界で見ると、読み書きのできない大人は、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュなどの南アジアが半分を占めていた。ハイチは2008年度でも教育環境は最低ランク、ハイチの子供は半数しか学校へ通っていなかった。さらに今年1月の大地震で80%の学校が崩壊し子供の教育はより一層弱体化している。また、アフガンの女性で読み書きができるのは20%以下、地方の女性になると学校へ行くことすら許されない環境だ。

つくづく日本の子供は恵まれているが、その恩恵を感じている日本の子供は少ないだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)