南アフリカでは、ワールドカップ期間中のみ存在する裁判所がある。全部で56箇所設置され、ワールドカップに関係した犯罪に特化しているものである。南アフリカ在住者だけでなく海外からの旅行者も裁かれることから、裁判は通常よりも迅速に処理されている。

驚くことに、ワールドカップが始まる1週間前の時点ですでに25件の裁判訴訟があったという。

ここで、最近起こった事件の”一例”を紹介しよう。

・51歳のブラジル人男、他3名がケープタウンのレストランで女性のかばんを盗み逮捕。
・4名の南アフリカ人が、スタジアム周辺にあるコカコーラの露店から総額5000ランド（日本円約6万円）の傘を盗み逮捕。
・ウガンダ人がギニア人から携帯を盗み逮捕。
・アメリカ人がノートパソコンを4台盗み逮捕。

などなど、インターナショナルな犯罪が日々起こっている。

また、かわいそうな珍事件も起こっている。男性がイングランドチームの更衣室に入り不法侵入で逮捕された。しかし男性は無実を主張。彼はトイレに行きたくてセキュリティの人にトイレの場所を聞いたところ、指差してくれた場所がイングランドチームの更衣室だったというもの。

南アフリカ警察当局では、国際的な犯罪はほとんど起こっていないと自信満々だそうだが、更衣室にいとも簡単に入れるセキュリティ状況はいかがなものだろうか。

今回のワールドカップ専門裁判所の迅速な処理が成功を収めたなら、現在遅々として進まない通常の裁判に反映することも考慮されているとのこと。裁判だけでなく全ての役所仕事に反映してもらいたいものだ。
（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）