6月11日に開幕したFIFAワールドカップ。その開幕前にズマ大統領が、ヨハネスブルグ南部にある障害者のための学校を訪れた。その日、学校ではW杯開催のため6月9日から1ヶ月間休みに入るため終業式を行っていた。そこで彼は非常に有意義な時間を過ごした。この学校の生徒の1人がズマ大統領に10ランド(日本円約120円)を渡し、「この10ランドを貧しい子供に渡してください。」と言ったのだ。少年のこの行為にズマ大統領は深く心を打たれた。
ズマ大統領が到着すると、生徒や教師は歌、ダンス、ブブジラで歓迎した。集会所の壁にはサッカーボールや国旗の絵、そして大統領への歓迎のメッセージが飾られていた。校長、学校運営組織そして生徒のジャービス君と、電動車椅子の資金や障害者に適したカリキュラムなど学校の問題について話し合った。
このジャービス君、障害を持つ生徒のために大統領を学校へ招待することが夢で、先生と交渉を重ねていた。夢がかなったジャービス君は、ズマ大統領を前にポケットからコインで10ランドを取り出し、大統領に差し出すとこう言った、「貧しい子供に渡してください」と。ズマ大統領は「ジャービス君は助けを必要としている子供たちがいることをわかっている。彼には『必ず渡す』と伝えた」と述べた。
教育に力を入れているズマ大統領にとって今回の訪問は新しい発見でもあり、大変満足したようだ。今後、教育省、社会開発省、その他の省と話し合い、この学校で出た問題点を話し合うことを約束している。
また、学校関係者たちもズマ大統領の訪問に感銘を受けている。「大統領の障害者に対する温かい気持ちを感じることが出来た。」「大人になっても忘れることが出来ない体験ができてよかった。」「大統領が本当に来るとは思わなかった。」など、先生たちも喜んでいた。
ズールーダンスにも飽きた国民にとって、今回のズマ大統領の行動は支持率を確実に上げたことだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)