ワールドカップチケットが4月15日木曜日の午前9時に一般発売を開始した。チケットを求める人の列は水曜日の午後から始まった。時間がたつにつれ人々の興奮は高まっていったが、チケット販売が殺到したためにコンピューターが故障、人々の不満は高まっていった。
プレトリアのチケットセンターでは警察が介入、長時間待ったのにチケットを買わずに帰れないと憤る人々が乱闘を起こし始めると『ペッパースプレー』が撒き散らされた。「人々が押し合ったり怒鳴りあったりし始めたので、収集をつけるためにも警察の介入は仕方がなかった。」と警察は語っている。
ヨハネスブルグのサントンでは、騒ぎ出した人々を鎮めようとパトカーが乱入、逃げ惑う人々や警察と言い争う人々で混乱をきたした。
ケープタウンのチケットセンターでは、列に並んでいた64歳の男性が発作で死亡した。男性はしばらくの間通路の端で銀色のシートで覆われて放置されていた。
FIFAは販売開始1時間で、1610枚のチケットがチケットセンターで、2166枚がFNB(ファースト・ナショナル・バンク)で売れたと発表している。一部の銀行ではコンピューターが故障したためチケットが販売できずにチケットを購入しようと並んでいたファンが憤慨した。
南アフリカではおよそ12万枚のチケットが、ワールドカップ市場最低金額の20USドルで購入できるということで、南アフリカ人が殺到した。このチケットは南アフリカ人のみに販売されるので、IDブックを持っていなければいけない。
南アフリカ最大のタウンシップであるソウェト(SOWETO)でチケットを購入した黒人男性は「チケットを手にしたときは思わずチケットにキスしてしまった。自分の名前は明かさないで欲しい、会社を休んできているから」と興奮していた。また、「こんなに長い列に並んだのは、1994年のアパルトヘイト撤廃後に行われた初選挙のときだ」と、やや懐かしんで話してもいた。
世界中でキャンセルされたチケットを完売させるにはまだまだ時間がかかるだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)