一夜にして億万長者になれる宝くじ。週末のニュースはこのうわさで持ちきりだった。一人の清掃業者が史上最高額の9100万ランド(約11億円)を当てたからだ。つつましくも静かな生活を送っていたこの家族は一瞬で騒々しい世界へ放り込まれてしまった。ところが事態は一変、どうやらこのニュースはデマだというのだ!
南アフリカの宝くじの一つ「the PowerBall」は、1~45から5つの数字と1~20から1つ、計6つの数字を選ぶもので、結果は金曜日の午後9時半にテレビで生放送される。今回は昨年の11月からの持ち越し金で総額9100万ランド。誰もが夢を見て購入した。
土曜日、一人の男がジャックポットを当てたことが瞬く間にニュースとなった。ケープタウンで掃除夫をしていた耳が聞こえず声も出ないという52歳の男性だ。彼の妻も耳が聞こえず言葉も話せない女性。二人の間には二人の子供がいる。彼らは親戚の家の離れにある丸太小屋で静かに暮らしていた。現在一家の居場所は不明。親戚や友人が億万長者からお金をもらおうと押しかけたため、姿をくらまさずを得なかったからだ。
しかし、月曜日になって事態は一変。国営ロト委員会がこのニュースを否定、宝くじを当てたのは別の人物だと発表した。実際の当選者の名前は発表されず、当たったといわれているチケットも表示しなかった。ロト委員会の代表者は、通常宝くじに当たった人物は名前を公開しないのにどこからそのようなデマが流れたのかわからないと述べている。また、宝くじに当たった人物にはファイナンシャルアドバイザーをつけ、突然の大富豪にパニックになっている当選者を援助している。
ケープタウンの掃除夫はいまだ連絡が取れず、行方不明。真実はいまだ不明だ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)