今まで格安のシンボルといえば「メードイン・チャイナ」。しかし、中国のアフリカ進出計画で「メードイン・エジプト」が新しい格安シンボルになるかもしれない。
低賃金、低コスト、輸出制限なし・・・投資目的としてもエジプト工場は既製服を製造する上で理想的だったようだ。
中国が所有している『Nile Textile Group』は、スエズ運河北部にあるポートサイドというフリーゾーンエリア(自由貿易地域)に建てられた店で、産業地区として発展している。現在従業員600人、うち20%が中国人で残りがエジプト人だ。原料の60%を無関税で輸入でき、アメリカなど海外マーケットへの輸出アクセスもしやすい。賃金も中国人労働者のそれに比べると格段に安い。工場労働者の賃金は、月最大800エジプト・ポンド(日本円約16,800円)、それでもエジプト人の賃金としては破格の値段だ。
頭にスカーフを巻いたエジプト人労働者の横には中国人技術者が付き添い、ミシンの音が絶え間なく響いている。壁にはアラビア語と中国語の説明書きが貼られている。普段の会話には多少の努力が必要だが「中国人は中国語を少しずつ教えてくれるし、彼らはアラビア語を勉強しているようだ」と、労働者間の関係は良好の様子。
現在約950もの中国企業がエジプトのフリーゾーンに事業を拡大、総額3億ドル近くを投資している。先週日曜日にエジプトのシャルムエルシェイクで行われた「中国・アフリカ協力フォーラム」では、中国・エジプト間の結束をより強化する見込みだ。
中国・アフリカ間でのここ数年の経済協力は目覚しい発展がみられており、2003年の4億9千万ドルから2008年には78億ドルもの投資を行っている。
エジプトに中華街が出来る日も近いだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)