近年サイの角を狙った乱獲によって絶滅危惧種として保護指定されている白サイ。その白サイと車で激突。警察が駆けつけたとき、運転手はおらず、サイの角も消えていた・・・。
火曜日の夜7時頃に、クワズルナタル州にある動物保護区のメインロードでトヨタのハイラックスが白サイと衝突したという目撃情報が入った。およそ3時間後に警察が駆けつけた時、白サイの死体と車が放置されており、車には誰もいなかった。白サイは妊娠していたメス、おかしなことに角がなかった。はじめは事故によって自然と角が取れたものと思われていた。しかし、角の切り方が乱暴に抜かれている様子から最近サイの角を狙った密漁が急増していることもあり、急遽、野生動物犯罪調査チームが加わることとなった。
調査を広範囲に進めた結果、茂みの中に隠されていたサイの角を発見した。さらに次の日、車の運転手も発見、車は大破していたが、彼は衝突による怪我はほとんどなかった。警察では現在男とサイの角の関係を調査している。また解剖の結果、サイは銃で撃たれたものではなく車との衝突によるものと断定。わざと車でぶつけてサイを殺したのでなければ、今回は密漁に関わった事件ではなく、「対サイ衝突」ということになりそうだ。
サイの角は闇ルートでキロ当たり35,000~45,000ランド(日本円約40~55万円)で取引されている。主に『サンゴーマ』と呼ばれる南アフリカの伝統的な呪医が必要としていたり、効用はほとんどないが漢方薬として珍重されているので、サイの乱獲は増える一方だ。
今や南アフリカでは、対人衝突するよりも対サイ衝突のほうが事件になってしまう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)