writer : techinsight

【ドラマの女王】脇に食われる福士誠治はオトコマエ?『オトコマエ!2』。

今回の【ドラマの女王】は 福士誠治主演の『オトコマエ!2』(NHK)。6月までやってたテレビ朝日の時代劇『必殺仕事人2009』で“ニセ仕事人”として勝手に「世直し」していたが為に、バッサリ小五郎(東山紀之)に切り殺されてしまった伝七を演じていた福士が、ほぼ同じかつら・衣装でNHKにて復活!って「2」であるから前もやっていたのね。主役よりオトコマエ!な脇キャストに食われ気味な主人公と、地味ながら趣深いゲストにも注目。

北町奉行の“遠山の金さん”(柴田恭兵)に憧れる、商人出身の藤堂逸馬(福士誠治)。武家の養子になり、北町奉行所の吟味方与力となる。まだ2年の駆け出しだが、弱い者苛めや曲がったことは大嫌い、“お裁き”もわが道を行く。しかし、女にはめっぽう弱い独身の逸馬に、嫁取りをせんと教育係(?)が現れ・・・・。
何ともNHKっぽい設定でスタートした『オトコマエ!2』。さすが竹内力や魔裟斗が大暴れしていた『陽炎の辻3』(主演:山本耕史)の後のドラマとあって、30分ながらキャストも異色なら展開も忙しい。

第1回「医は仁術なり」は、悪人から“ゆすられている”評判の名医、道庵(白井晃)の医療所に、その悪人と思われる男二人が大ケガをして運ばれて来た。二人を前に道庵は、重傷の一人を手当てし、もう一人は別の医療所に運ぶ指示を出した。あろうことか、ケガが軽いと思っていた別の医療所の方の男が死んでしまい、その男の女房に訴えられてしまう。過去の殺人をネタに金を要求していた悪人の男を「わざと見殺しにした」と、疑いがかけられる名医に、逸馬の人情裁きが冴える。
腕の確かな医者・道庵を演じる白井晃。彼は過去ドラマ「王様のレストラン」でワイン番をしていたオッサンだが、今では重要な役割をこなすベテラン俳優。実はこの人、話題の舞台の演出家でもある。地味だけど上手い。

意外に色気のある女性陣は、朝ドラ『つばさ』とほぼ同じ料理屋の女将・佐和役で江戸時代にタイムスリップしたワカパイ(井上和香)、タラコ唇が艶(つや)っぽい。瓦版売りの娘なつめ(佐藤江梨子)は、NHKなのになぜか着物がミニスカ。最近映画で磨いた演技力とセクシーさできっとこの役を勝ち取ったのだろう。

第2シリーズなれど、福士の演技はまだまだ。しかも、朝ドラ『純情きらり』(宮﨑あおい主演)の時に比べると、「オコトマエ度」は若干下がっている。これだと『吸血少女対少女フランケン』でもカッコよかった斎藤工の方が男前。“着流しの一本差し”で色町に遊ぶ、粋な下級役人・武田信三郎(斎藤工)。今回は恋愛担当らしい。

主人公藤堂逸馬の“お裁き”がオトコマエなのか、色恋も期待できる美男の登場人物たちがオトコマエなのか、はたまたホンモノのオトコマエが“遠山の金さん”だと番組HPで触れてみたり。(それじゃ逸馬の立場はどうなるの?)もう何をもってオトコマエなんだか分からないハイテンポな1話完結の痛快時代劇。30分間に凝縮されたオトコマエな二人(福士誠治と斎藤工)のポリシー、「弱い者に味方し悪を懲らしめる!」って、やっぱり『陽炎の辻』同様、紙芝居みたいだ。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)