writer : techinsight

【ドラマの女王】“思い通りにならない”日本女性の3代記 急激につまらなくなった?朝ドラ『つばさ』

今回の【ドラマの女王】は、NHK朝の連続テレビ小説『つばさ』。4月のスタートからはや5ヶ月が経とうとしている朝ドラ前半戦も残すところあと1ヶ月強。毎朝多部ちゃんが見れる嬉しさは別として、なにしろ盛り上がりに欠けるストーリーにがっくりさせられるばかり。永島敏行の週(30点)、長瀞での斉藤由貴、山下真司の週(30点)、西城秀樹とサンバの週(40点)と、ここのとこ変な展開と元気のないつばさによってせっかくのおいしいゲストとロケが台無しになってしまっている。

ベッカム一郎(麒麟・川島明)の週が終わってから急激につまらなくなった『つばさ』。とくに、長瀞の週は見るに耐えなかった。お盆から「斎藤幸子」という河原雅彦演出の舞台(原作は昨年の朝ドラ「瞳」の鈴木聡。)で主役を務める斉藤由貴は持ち前の“明るい要素ゼロ”の役で最悪。船頭役の山下もいつものオモシロさ封印でガッカリだった。この週はつばさも翔太(小柳友)にフラれて、ぬけがら状態で記者はこんな気持ちの悪い多部未華子を見たことがない。一応、弟の知秋(冨浦智嗣)が頑張っていたが、この人こそ簡単にいい子になり過ぎで、あんた、母(高畑淳子)に捨てられた怒りはどこへ行っちゃったの?といいたい。

やっと先週、ヒデキのビバ・マリアと浪岡正太郎(ROLLY・ローリー)の父、葛城(山本學)とつばさの祖母・千代(吉行和子)の映画にまつわる恋愛エピソードでホロリとできたから良かったものの、また今週つばさの父・竹雄(中村梅雀)と麻子(井上和香)に何かある様子でテンションがやや下がりぎみ。
なんていうか、まあ全体的に“暗い朝ドラ”『つばさ』。誰も朝からこんな脱力したドラマ見たいと思っていないハズ。そしてさすが埼玉、見どころがない。東京近いし、せっかくドラマ終わりに「地場産業」に従事する県民のみなさんが紹介されていても、それをドラマにぜんぜん生かしてないあたりが怠慢だ。こうなったらもう、なんでもいいから早く「すずもとスーパー」の社長(佐戸井けん太)の妻サザエさん(加藤みどり・今のところ声のみ出演。)を出してくれ。

そして、相変わらずドラマをかきまわしている戦犯の母・かの子(高畑淳子)。『夫婦道』がやっと終わったかと思ったら、今度は『オストロスの犬』でタッキー相手にしゃしゃり出ている。どんだけTBSっ子なんだ!。先週なんか『ぴったんこカンカン』にも登場していて、安住アナを自宅に招きフロに入れ、大騒ぎする高畑を見た。浴衣姿でほろ酔い気分の高畑、意外としっかりしている高畑の娘。もう、高畑家にグギづけ。一週間に一コよけいに高畑を見てしまった。

そんな高畑に食われて、いまいち存在感のうすい主人公・つばさの多部未華子。来年は同じヒデキでも野田秀樹の舞台「農業少女」が控えている。考えてみると、野心ゼロでハキが無いつばさの設定も21歳。世にいう、“ゆとり第一世代”である。生まれた頃から平成不況、薄利多売の情報社会に生きてきた彼女は、なんでもあきらめがち。まさに社会から家に閉じ込められた「ハタチのおかん」である。設定上アラフォーの母・かの子は、なんでもやれると思っているイケイケ世代代表、そしてその祖母もまた窮屈な青春を送り・・・・。

『つばさ』の隠しテーマは「“思い通りにならない”日本女性の3代記」なのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)