寺山修司
没後25年以上経っても人気が衰えない青森県生まれの劇作家、寺山修司。「天井棧敷(てんじょうさじき)」という前衛劇団での活動を主に、詩人、演出家、映画監督としても数々の作品を残している。視覚に訴える強烈なビジュアルと、「言葉の錬金術師」といわれた寺山の美しいセリフの数々は発表後30年以上経ってもいまだ魅力が色褪せない。この度、32年前にパルコ劇場にて上演された『中国の不思議な役人』が、全く新しいキャストで再び同劇場に蘇る。
舞台は上海。
この街を支配する中国の不思議な役人は、不死なる存在と噂されていた。
しかし中国の不思議な役人には唯一「死」を迎えられる方法があった。
それはまことの「愛」を知ること。
何人も愛さない、愛せない役人はすでに死を忘れて数百年が立つ。
少女花姚(かちょう)は兄・麦とはぐれたところを人攫いにさらわれて、娼婦館に売られる・・・・・・。
圧倒的な存在感を見せる役人役には、名優の平幹二朗、娼婦館に売られる少女花姚(かちょう)に夏未エレナ。15才の夏未はかねてから寺山修司の作品のファンであり、今回の出演もたっての希望が叶っての出演。若さと美しさ、未知数の魅力が期待できる。花姚の兄・麦役には、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』や、『赤い糸』、に出演したイケメン田島優成。お笑い経験もある田島の話術にも注目だ。
その他、「毛皮族」の町田マリー、実力派俳優の岩松了、吉田メタルなど、寺山作品を盛り上げる役者達も数多く出演する。
「情熱」「残酷」「血」これらを象徴する“赤”を国の色とする中国・上海を舞台にした寺山修司の『中国の不思議な役人』。貴重な「テラヤマ・ワールド」を体験できるまたとない機会。
ぜひ、劇場でご覧あれ。
『中国の不思議な役人』
9月12日(土)から10月4日(日)まで渋谷・パルコ劇場にて公演。
作 寺山修司 演出 白井晃
出演 平幹二朗 夏未エレナ 、田島優成ほか
舞台上を蠢(うごめ)く“剥げ頭”の舞踊家、田村一行(大駱駝艦)と奥山ばらば(大駱駝艦)の不気味さも注目。ミュージシャン、宮本大路(sax)とスティーヴ エトウ(perc)による音楽が観客をテラヤマ・ワールドに誘う。(写真は32年前に上演された『中国の不思議な役人』)
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)