南アフリカ人間科学研究評議会によると、最も子供を大事にしない母親は西ケープ州に多く見られると発表した。子供に興味がない母親というのは、いったいどんな母親なのだろうか?
今回の調査では、2006年に行なわれた西ケープ州の子供に関する裁判102件、さらに事件に関わった児童保護サービスなどのインタビューなどから収集した情報を元に出された結果である。この調査は年齢や性別によって類別されることの少ない警察の資料よりも正確だとか。
その結果、子供を軽視する母親の傾向としては、経済的に貧しく、シングルマザー、20歳以下でアル中もしくは麻薬中毒が多いとのこと。また、このような母親の子供は、里子に出されてしまうことが多いそうだ。
大抵は早期介入システムを行なう段階で、親の了解を得ることなく、子供を施設に保護する場合が多い。施設で子供を保護し養育している間に、両親を育児教育プログラムに出席させたりするチャイルドケアサービスというのが理想なのだが、実際には難航している。虐待防止や効果的な介入方法が欠如しているため、なかなか実を結ばないのが現実だ。
ケープタウンの二つの区域(Mitchells Plain とMalmesbury)では、子供が法定保護を受けることが多く、大抵は10歳以下の男子児童が対象だという報告がある。多くの事例での加害者は、シングルマザーで20歳以下、経済援助のない「産みの母親」だそうだ。ソーシャル・ワーカーによると、両親が子供をほっぽってドラッグを楽しんだり、お金をアルコールやドラッグに費やしたり、子供を路上に立たせてお金をせびらせたりといった行為が目立つそうだ。さらに、アルコールやドラッグ中毒によって子供への虐待が頻繁にひき起こされることも問題視している。
幼児虐待、親の育児怠慢などは西ケープ州だけでなく世界中で問題となっているが、家族の問題なだけに周りがなかなか深く介入できないのが現実だろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)