ケープタウン最高裁代理が自宅で死亡。当初は心臓発作による自然死と思われていたが、火曜日に一転して殺人事件の可能性があることを警察が発表した。事件発生前後の多くの謎をどう説明するのかがカギと思われる。
ケープ最高裁代理のパトリック・マクベラ(60)が、ケープタウンのシーポイントの自宅で死亡しているのを訪れた親類が発見、警察に通報した。最初の報告では、マクベラ氏が心臓発作を起こし死亡、発見された時点で死後3日経過していた。この時点では事件扱いではなかった。
マクベラ氏は金曜日の午後に死亡、日曜日に発見され、翌週火曜日に死因は心臓発作によるものと発表された。
しかしその直後、警察から「検死の結果はまだ出ていないので正式な死因は特定されていないが、マクベラ氏の死は殺人事件になった」と発表。死亡発見直後には金曜日に起こった心臓発作だった。月曜日の検死では腐敗が進んでおりなかなか特定することが難しいとのこと。
一体なぜ警察は殺人事件に変更したのか。警察がシーポイントの自宅を調査したところ、犯罪の可能性がある証拠や情報が見つかったとのこと。ただし容疑者はまだ特定できていない。
まず発見当時、マクベラ氏はベッドでシーツにくるまれており、血のついた枕が彼の顔に乗っていた。血の量は心臓発作と思えないほどの大量の血だったそうだ。また、金曜日の朝、警備員がマクベラ氏を(車で)迎えに来たという男を通したが、出て行った車にマクベラ氏は乗っていなかったと言っている。さらに金曜日、「アマンダ」と名乗る女性からマクベラ氏の秘書に「マクベラ氏は病院へ行ったので、今日の裁判に出席できない」という連絡があった。その病院にマクベラ氏は来たという記録はなく、アマンダという女性の特定も出来ていない。
マクベラ氏はアパルトヘイト時代に政治犯としてネルソン・マンデラ氏と同じロベン島の刑務所に20年間収容されていた。その後最高裁判事代理として現在まで現役で活躍、温厚な人柄で親しまれていた。月曜日にはマクベラ婦人がヨハネスブルグから駆けつけ、夫の訃報に「自然死で安らかに亡くなってよかった」と言っていた直後の殺人事件変更に、家族も不安に包まれている。
友人たちは心臓発作による自然死を主張しているが、警察では「一体誰が心臓発作になったときに、シーツにくるまり、枕を顔に乗せるんだ」と事件の可能性を主張している。マクベラ氏の死は未だ謎に包まれている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)