アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】南アフリカ新大統領に向けられる厳しい視線。

火曜日にジェイコブ・ズマの大統領表明が行われた。経済の活性化、失業者対策などを表明したが、政治アナリストたちの意見は厳しいものとなっている。

ケープタウンの議会前は、雨がそぼ降る中、さながらレッドカーペットを歩くハリウッドスターのようだった。ただしドレスの質はまったく違っているが・・・周りには人々が集い、アフリカの伝統ダンスを踊っている人々が寒くて薄暗い会場を盛り上げていた。

議会内にはネルソン・マンデラや前大統領のタボ・ムベキの姿も見られる中、大統領ズマの演説は1時間にも及ぶものとなった。

ズマの表明では、「今年17年ぶりに景気後退になったことを鑑みて、経済の活性化を図る」「今年の12月までに50万人もの失業者を解消する」「HIV対策」「医師の給与アップ」などが述べられた。

政治アナリストたちの評価は、ズマの表明は詳細を欠いており、今までのANCの政策をなぞる程度のものだと批判。新しい政策がまったくなく、新しいANC政権が何を目指しているのかを、以前の政策内容から解釈しなければならないとも言われている。

例えば、1990年以来の景気後退に対する政策を少しずつ実施していくと最初に言い置いてから、1年以内に50万人もの失業者解消という、急激且つ到達困難な政策を発表。また、地球温暖化を述べた後、それが南アフリカの経済にどう影響を与えるのか、政策はあるのかなどには全く結びついていなかった。

日々の生活に不安を覚えている人々はもっと現実的で明確な政策を求めていることに気づいて欲しかった。大統領の表明はわかりにくかったのだが、ズマ政権はトレバー・マニュエルをはじめ経済に強い人々を大臣に揃えているのが強み。南アフリカ人は政策を実行に移してくれる大臣を待たなければならないようだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)