50年の人生の中で3度もがんを患い闘病生活を送ってきた女性が、このほどその生涯を閉じた。女性の最期の願いを叶えたのは、幼なじみ男性とレストラン店主の思いやりだった。『Inside Edition』や『New York Post』など複数メディアが伝えている。
3度目の膵臓がんを患い末期症状だったため、米バージニア州アーリントン郡にあるホスピスで療養生活を送っていたエミリー・ポメランツさん(50歳)。彼女のもとをワシントンD.Cエリアに暮らすサム・クレインさんが訪れ、「何か欲しいものはない?」と尋ねた。
エミリーさんとサムさんは、オハイオ州クリーブランド・ハイツで子供時代をともに過ごした旧友だった。エミリーさんは「そうね…髪がまた抜けちゃったから(メジャーリーグ野球チームの)クリーブランド・インディアンスの帽子が欲しいわ」とサムさんに告げた。
サムさんは翌日、自分が持っていたその帽子を渡したが、するとエミリーさんは「どうしても欲しいものがあるの」とサムさんに伝えた。それは故郷で2人がよく飲んでいた「Tommy’s(トミーズ)」というレストランのモカ・ミルクシェイクだった。
だがエミリーさんは余命わずかで、とてもオハイオ州まで行ける状態ではない。サムさんは是非とも旧友の最期の願いを叶えてやろうと思い、Tommy’sのオーナーであるトミー・フェロさんに事情を綴りメールした。そして数日後にフェロさんから「ウチの自慢のシェイクじゃないか。これまで州を越えて配達したことはないけど、何とかしよう」と連絡があったという。
そこでサムさんは配送会社UPSに連絡し、ドライアイスを入れてミルクシェイクをオハイオ州からバージニア州まで配達することは可能かどうかを問い合わせた。その距離600キロ以上で、当然ながら配送代もかかる。しかしサムさんはフェロさんと協力してエミリーさんのもとへ、9時間以内にモカ・ミルクシェイクを届けることに成功したのだ。