若くして自分が余命わずかだと知った女性は、大好きな映画のように美しく最期を飾るため家族に遺志を伝えた。そして彼女の旅立ちは映画に負けないほど美しいものとなった。20年という短い人生を終えた女性の願いを叶えた葬儀が執り行われたことを英紙『Mirror』が伝えている。
4月21日、フィリピン南部のダバオ市にて骨肉腫でこの世を去ったレイシーン・プレガンタさん(享年20)の葬儀が行われた。
2016年に上映されたフィリピン・コメディ映画『Die Beautiful』にインスパイアされたレイシーンさんは、「死ぬ時は美しく死にたい」と家族に話し、死期を悟った時点で自ら葬儀の詳細を計画したのである。
この映画は、主人公であるトランスジェンダーの女性が美を競うコンテストに出演し栄光を勝ち取るも突然亡くなってしまうのだが、ストーリーの見どころは主人公が埋葬前に幾夜も行われる儀式で毎回違うセレブの装いをまとうことを望み、周りの人たちは彼女のちょっと変わった一生を思い出しながらその願いを叶えようとする場面だ。映画の主人公は「レディー・ガガ」の姿で逝くことを遺言にしたが、レイシーンさんはこの映画のテーマである「苦境をはねのける明るさと、生への肯定に満ちた人物像の創造」に惹かれたのだろう、大好きだった映画に少し似せた葬儀を望み美しく最期を飾った。