頭部が極めて小さいという奇形を伴って生まれた米フロリダ州のジャクソン・ビュエル君。出産時に「予後は絶望的」と告げられていたジャクソン君がなんと1歳の誕生日を迎えた。その強い生命力に医師らも驚いているという。
「無脳症」「水無脳症」など、大脳形成不全につき頭蓋骨に生まれつきの奇形を伴う頭部の疾患がいくつかある。日本では全妊娠の1000分の1の確率で発生すると言われるが、死産となることが多いことから無脳症の赤ちゃんの誕生は稀なことで、またその後1週間以内に死亡する場合がほとんどだという。しかしこの疾患を持って生まれるも、奇跡の1歳の誕生日を迎えた赤ちゃんが米フロリダ州マウントドラにいた。
昨年8月27日、大脳半球が非常に小さい「無脳症」にて誕生したジャクソン君。両親であるブランドン&ブリタニー・ビュエルさん夫妻は医療と養育の両面で大変な苦労を強いられているが、ジャクソン君にはつきっきりの世話が必要であることからブリタニーさんは仕事を辞めざるを得なかった。そこで彼らは世間にわが子の病気への理解を求め、インターネット募金サイトの『GoFundMe』にて“Jaxon Strong:Support for Year 2!”というタイトルで募金活動を開始。「この子がなんとか2歳まで生きられますように」と7万ドルを目標とした。現在、募金額はすでに6万ドルを超えている。
頭部の頭蓋骨の奇形を伴うこうした疾患の原因は、遺伝子に問題がある場合が大半だが、残りは妊娠中の栄養不足、飲酒、喫煙、ある種の薬の服用、放射能被曝、ダイオキシン、先天性風疹症候群、先天性トキソプラズマ症などが複雑に絡み合っているのではないかとみられている。妊娠4か月以降の超音波診断や羊水検査で診断が下ることがほとんどだという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)