エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】情報番組にコメンテーターは必要なのか? 今春から続々と起用されるお笑い芸人たち。

新年度を迎え各局の情報・ワイドショー番組は新番組がスタートしたり、新たなレギュラー出演者を迎えている。今回の改編で大きな特徴のひとつは、コメンテーターにお笑い芸人が多数抜擢されていることだ。芸能や生活に関するニュースだけでなく、政治や経済、国内外の事件など多岐にわたる話題を扱うようになった番組で、専門家ではないコメンテーターは果たして必要なのだろうか。

3月29日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では“テレビ局 春の大改編を検証”と題し、朝から夕方にかけての時間帯に生放送の情報・ワイドショー番組が増えることに注目。既存の番組でも、出演者を交代するなどしてテコ入れを図っている。

3月30日から始まったフジテレビ系『直撃LIVE グッディ!』は、平日午後のワイドショー・情報番組。日替わりパネラーは高橋茂雄(サバンナ)やカンニング竹山など、5人全てが男性のお笑い芸人だ。また同日にスタートしたTBS系『白熱ライブ ビビット』では、曜日パーソナリティーとして火曜日以外は、千原ジュニア(千原兄弟)、ヒロミなどのお笑い芸人が出演。この『白熱ライブ ビビット』の前の時間帯に放送されている『あさチャン!』は、新年度から曜日レギュラーに澤部佑(ハライチ)や博多華丸(博多華丸・大吉)が加入する。

情報番組でコメンテーターとして出演するお笑い芸人の役割を、松本人志(ダウンタウン)はこう説明する。「違う角度から素っ頓狂なことを、たまに言わなければならない」「当たり前の、“長い物には巻かれろ”的な発言はできない」と言い、だが波風を立て過ぎると“クレームが殺到する”辛さをこぼしていた。

朝のワイドショーでコメンテーターを務めている社会学者の古市憲寿氏は、そもそも「視聴者はコメンテーターを求めているのか?」と疑問を呈した。コメンテーターとして出演してみると、内容に関する規制や制限事項がたくさんあるので結局、当たり障りの無いことしか言えない。少し踏み込んだ発言をすれば、ネットで炎上。司会進行役や専門家でも無い、ご意見番ならネットに溢れている。視聴者からも求められていないとすれば、“コメンテーターは、どこまで必要なのか?”とする古市氏の疑問にもうなずけるのだ。

一般人の代表として素朴な疑問を投げかけてもらうために、コメンテーターに売れっ子のお笑い芸人を選んでいるとしたら、それにも首を傾げてしまう。収入も生活者としての視点も、同等だとは思えないからだ。またコメンテーターの人数も増加傾向にあり、限られた時間の中で肝心な情報に割く時間がますます少なくなってしまいそうで心配である。
(TechinsightJapan編集部 みやび)