エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】間寛平が“24時間マラソン”を走った本当のワケ。最初は「深夜に10分出てくれ」だった。

間寛平が福岡の久留米商業高校で、就職を前にした3年生に特別講義を行った。彼は地球一周した“アースマラソン”で「何度も死にかけた」体験を語るが、すべての始まりは“24時間マラソン”だったという。そして、今では『24時間テレビ』に欠かせないものとなった“24時間マラソン”が生まれた意外な真相を明かす。

福岡ローカルのバラエティ番組『TEEN!TEEN!』(RKB毎日放送)に、久留米商業高校の教師から「就職が決まった3年生たちに厳しい社会を生き抜くヒントを教えて欲しい!」と依頼があり、福岡よしもとのタレント・高田課長の案内で大御所の間寛平が講師として訪れた。生徒から“アースマラソン”で過酷な状況をどう乗り越えたのかと質問を受けて、間寛平はまず、マラソン人生を振り返った。

25年前のこと。1978年にスタートした『24時間テレビ 愛は地球を救う』のプロデューサーが、視聴率の低さから番組の存続が危ぶまれることに悩み、間寛平の当時のマネージャーに「寛平ちゃんには悪いけど、深夜に10分だけ出てもらえないだろうか?」と依頼した。すると、そのマネージャーが「10分と言わず、24時間テレビやから24時間走らせましょか?」と答えたのだ。「えっ! そんなことができるの?」とプロデューサーも驚いたが「寛平ならできます」と受けて話は進んだ。1992年に寛平は武道館までの200kmを走ることとなる。

その後、1995年に阪神・淡路大震災が起きた時には、「日本を元気づけよう」と神戸と東京間、約600kmを7日間で走破している。だが、ギリシャの鉄人マラソンと呼ばれる“スパルタスロン”で246kmを3度も完走している彼も、年とともに体力が落ちることを実感していた。「60歳までに人類が誰もやっていないことをやろう」と日々考えるうちに、「“地球一周”というのがバーンと降りてきた」そうだ。

“アースマラソン”を成功させるには毎日50kmを走らねばならない。1週間、毎日50kmを走り、体を検査して耐えられるかを試した。その次は、10日間、次は15日間と増やして、これなら走れると確信した。

だが、陸はいけても、海はどうするのか? あのマネージャーに相談したところ「太平洋は手漕ぎでいけ」と言うではないか。さすがの間寛平も「死ぬやん、絶対に死ぬやん!」と拒絶すると、マネージャーは「じゃあ、僕がヨットを持っているから」と自分も一緒に乗船すると言い、ヨットで大西洋、太平洋を渡ることとなった。口先ばかりの男ではなかったのだ。こうして準備も整い、2008年12月17日に“アースマラソン”をスタートする。

しかし、冬の太平洋の過酷さは想像を絶した。「今まで、冬の太平洋に出たのは僕らを入れて3艘だけ。あとの2艘は行方不明になったまま」だという。「2か月と10日間、毎日が生きるか死ぬか。今まで、誰も渡ったことがないと知らなかったから渡れた」と間寛平は振り返った。

また、陸路のマラソンでも過酷なことが続く。カザフスタン共和国の砂漠を走っている時だ。サポーターは10km先で食事の準備をして待っている。間寛平が1人で走っていると20歳くらいの男、6人に囲まれた。「マネー! マネー!」と金を要求してくるが無視して走り続けると、いきなり肩をつかまれた。間寛平が咄嗟に空手のポーズをすると「KARATE!」と男たちがたじろいだ。「イエス! ジャパニーズ・カラテ! “6”NO! “1”カモン!」、つまり“6人いっぺんはダメだ。1人ずつかかってこい”と言うと、相手はビビって退散した。

過酷な“アースマラソン”を走り終えてゴールした時の気持ちを聞かれた間寛平は、「全く、走る前と一緒」と意外な答えを返した。「同じ人間やん! ただ、地球を回ったというだけやんか。ドヤっていう気持ちも無い」という。ギネス記録のためにやったわけでもないが、ただ、「日本もこれで助かるなとは思った」と語る。

彼は、昨今のマラソンブームを見て、「不景気だし、嫌なこともいっぱいある。マラソンをする人が増えて、走ったらいい汗をかいて嫌なことも忘れていく。前向きにええこと、ええことを考えるようになる。僕が経験したから言えるんや」と確信していた。

そんな熱い話をしてくれた間寛平に、就職が決まった女子から「自分は高卒で、他は大卒なので不安だ」と相談があった。間寛平は「アホになることが大事」だとアドバイスする。吉本興業では社員は東大や京大を卒業しており、芸人の多くは高卒だ。「一流大卒の社員が芸人のマネージャーになるが、アホの力が強いから、どんどんアホの方に引っ張っていきよんねん。結局、レベルはみんな一緒になる」と、よしもとでの体験に例えた。「アホになって、けちょんけちょんに言われても、ぐっと我慢して“ホホホーッ”と言うとくんや。アホになるのが一番や」という言葉をもらい、相談した女子も不安が薄らいだようだ。

最後は生徒たちを「みんな夢に向かって頑張れ! アメマー!」と激励して終えた。

番組レギュラーのピース・綾部祐二はVTRで間寛平の講義を見て「真剣にアホをやっている。そういう美学が伝わった」と感想を語った。又吉直樹は、よしもとの社員と芸人が一緒のレベルになるという話について「めっちゃ深くて、幸せな気持ちになれる」と感激している。生徒たちだけでなく大人でも元気づけられる講義だった。

※画像2枚目は『twitter.com/kanpeitter』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)