家の中を見回せば無数の電気製品、どの部屋もタコ足配線だらけ。そしてスマホを持って移動すれば、すぐに周囲のWi-Fi電波の存在が複数示される。大変な電磁波に囲まれて暮らしている私たちだが…。
欧州のいくつかの国で病気として認定されている、「電磁波過敏症」をご存じであろうか。電磁波の影響を受けると皮膚や体調に悪い変化が現れ、日常生活に支障をきたすこともある。医療機関での検査を経て考えられる他の原因すべてが否定されて認定されるものだが、目に見えない電磁波がアレルゲンとなるだけに、本人の不安や苦痛は大変なものがあるそうだ。
そんな中、英メディア『mirror.co.uk』が英ウェスト・サセックス州ステイニング在住のステファニー・ラッセルさん(72)の話題を伝えている。彼女は特殊な4層ペイントを外壁に施すことに約70万円を投じ、このほど自宅を徹底的にWi-Fiの電磁波からガードすることに成功したそうだ。ルーターなどが放つ光の信号を目にしただけでも頭痛と吐き気がすると訴えるため、周囲からは気にし過ぎ、妄想との声も出ているようだが、本人は「やっと体調がよくなった」と喜んでいる。いずれにせよ彼女の家の中では携帯電話、タブレット、パソコンなどは一切使用禁止で、本人もコンピューターを駆使している乗り物には乗らないと決めている。
無線LANやWi-Fiは電子レンジと同じく高周波電磁波を放つが、電子レンジが電場から距離を保てば影響は低いと言われているのに対し、無線LANやWi-Fiの電磁波は家の中のどこにいても均等であるため、欧米では子供への影響を考えて有線LANに切り替える家庭も増えている。白血病をはじめとする小児ガンや脳腫瘍の発生率と電磁波との関連性が指摘されて久しいが、決定的証拠が乏しいこともあり、欧米に比べ日本の電波防護規制の法整備は遅れているとも言われている。
※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)