フジテレビお昼の新番組『バイキング』が4月7日の放送で全曜日を一巡した。月曜日の坂上忍と火曜日のTAKAHIROはお笑い芸人でない上に、初めてのMC挑戦だ。特に坂上忍はオープニングで「俺、酔ってるから」と宣言して暴走しやすい空気作りをするほど気合が入っていた。そんな月曜日を盛り上げて坂上を救ったのは、ロケ先から生中継で出演した笑いコンビ・サンドウィッチマンである。
『笑っていいとも!』の後番組として注目された『笑いと情報をとりホーダイ!バイキング』が4月1日(火)にスタートして7日(月)の放送で一回りした。振り返ってみると、坂上忍がMCを務める月曜日が一番おもしろかったのではないか。
彼が「朝6時10分まで飲んでいた」と弾みをつけて、レギュラーのホラン千秋がタイプだと明かしたり、IKKOに「このおじさんは誰?」と毒舌を吐くなどスタジオで奮闘したことも大きい。
仁科克基が交際中の矢吹春奈から浮気現場を目撃されて破局した話題では、いとうまい子が「なぜ、合鍵を持っている彼女が来るかもしれないのに女を連れ込むのか?」と坂上に疑問をぶつけた。彼は「松方弘樹さんの息子だから、そういうこともある」と答えて周囲を慌てさせる。さらには19歳の女優・吉倉あおいに「好きな人はいるの?」「付き合っている人がいるの?」と詰め寄り、吉倉と同じ事務所の野々村真から制止された。
そんな坂上の暴走ぶりに進行の伊藤利尋アナウンサーも「予想通り、スリル満点ですね」と冷や汗をかいたほどだ。
また、後半にゲストとして登場したふなっしーには「ふなっしーというより中のあなたの相談だよね?」、「夏は中に扇風機なんかないの?」と禁断の話題を連発。「人に相談するときは“なっしー”をつけるな」と叱り、ふなっしーが土下座して詫びる場面も見られた。
そういった面では坂上忍らしさが出ていたが、彼が強烈過ぎてレギュラー陣が萎縮していたようにも感じる。その坂上がもっとも生き生きとしたのは、千葉県南房総市の多田良海岸から地引き網の様子を中継したサンドウィッチマンとの掛け合いであった。
学校の始業式を終えて集まってくれた小学生たちに、富澤たけしが「子どもたちにはエルボーしときました」と頭に上から肘打ちする素振りをすると、坂上もそれが気に入って「料理の先生にもエルボーしといて!」と叫ぶ。
地引き網に集まった人々の活気と、地元の太鼓や踊りの音でスタジオの声がサンドウィッチマンには聞き取りにくかった。坂上も「おーい!」、「時間ないよ!」と大声で叫びならが対応していた。
予定時間をオーバーしながらも、地引き網で獲れた魚を使った料理が出来上がって何とかコーナーの目的を果たした。ロケ企画について感想を求められた富澤が「来週はもうやめますか?」と笑うと、「そういうあなたたちが大好きだから、また次もやりましょう」と坂上も楽しそうだ。
番組のエンディングでは再び多田良海岸の地引き網の現場とつながり、大勢の子どもたちに囲まれたサンドウィッチマンが上から映ると富澤が「3年B組~!」と金八先生を真似て掛け声をかけた。「今のは、素晴らしいね!」とスタジオの坂上忍も大ウケしており、来週のロケに期待が膨らむ。
実はこの日の月曜日は全編が生放送だった。他の曜日は火曜日が「注文したらマッハでごはん スピードランチ」、水曜日が「ダイオウイカをつかまえろ!!」、木曜日が「薬丸と行くぜ!なつかし青春トラベラー」、金曜日が「小林麻耶の大家族に学ぶ!ちょい知恵生活」のコーナーで収録をまじえて放送している。
生放送だからこそ坂上忍の毒舌にハラハラしたこともあるが、やはり何が起きてもおかしくない地引き網の生中継をアドリブで乗り切ったサンドウィッチマンの力があってこそ笑いに変えることができたのではないだろうか。
“生放送”にこだわった月曜日が2週目からどんな展開を見せるのか、また他の曜日が“生放送”へのこだわりを見直すのか。明日からの『バイキング』に注目したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)