『笑っていいとも!』の司会を32年間続けてきたタモリが、番組の終了を前に『めざましテレビ』のインタビューに答えた。彼は『いいとも!』への思いを聞かれて「わからない」と返すと「だって見たことがない」と明かして生野陽子アナウンサーを驚かせた。
3月31日の放送で『笑っていいとも!』(フジテレビ)が32年間の歴史に幕を下ろす。28日の『めざましテレビ』では、いよいよ最終回が近づく24日の『いいとも!』でタモリの楽屋を訪れてのインタビューが放送された。
『いいとも!』でのエピソードを振り返るタモリに生野アナが「タモリさんにとって『いいとも!』とはどういう存在ですか?」と質問すると彼は「わからないっ。だって、見たことがない」と答えた。「あーっ!」と驚きのあまり言葉が出ない生野アナだったが、一旦落ち着いてから録画して見たりはしないのかと確認している。
タモリは「俺は自分が嫌いだから、絶対に見ない。この番組が始まった時から反省はしないと決めていた」と言い切った。これまでも『いいとも!』が長続きする秘訣は「番組についての反省を一切しない」ことだと語ったこともあり、ブレがない。しかも反省どころか録画して見てさえいないのだ。
「『めざましテレビ』は毎日反省会をやっています」という生野アナにタモリは「毎日やってると疲れるだろう?」と同情して、番組スタッフに反省会をなくすように進言すると約束していた。
実に8000回を超えた『笑っていいとも!』だが、タモリは1000回続いた時の宴会で、局の幹部が『1000回と言わず、2000回!』とあいさつした時に会場から笑いが起きたことを思い出す。「誰もが続くとは思っていなかった」と自分自身も「どうせつなぎ番組だろう」と考えていたことを明かしている。
それでも『いいとも!』でタモリがこだわったのが“生放送らしさ”だ。「生放送はハプニングがあるからおもしろい。今は生放送らしい生放送があまりない」と指摘する。
1997年10月2日の放送ではテレフォンショッキングに来るはずの片桐はいりから、本番中のアルタに「もしもし、今、品川から電車に乗るところです。すみません、寝坊しました!」と本人が電話してきたこともある。
結局、彼女は本番中にアルタに到着したのだが、タモリは「『もっと遅れろ』と期待していた」と当時を振り返る。今でも「出演者が遅れたらおもしろくて仕方がない」という彼だが、逆にゴルフに遅刻すると「何やってんだ! 仕事じゃないんだぞ!」と怒るらしい。
確かに『いいとも!』には数々のハプニングが起きている。
1986年9月5日にはオープニングでタモリより先にビートたけしが登場して歌い出した。タモリはもちろん、レギュラーだった明石家さんまも驚き、「こんな息詰まる番組初めてや」というほどで、まさにサプライズだった。
視聴者からの声をFAXで受け付けるコーナーでは男性の等身大の全裸姿が送られてきて急遽CMに入ったこともある。そのコーナーはそれで終わった。
2011年には、女性アイドルグループが出演して空手の特技を披露した際に、蹴り割った板の破片が観客席に飛び散って冷やりとしたこともある。
そんなハプニングこそ、タモリが『いいとも!』に求めていたものなのだろう。しかし、ハプニングばかり続くはずもなく、最近ではサプライズを仕込む傾向になっていたようだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)