エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「パズドラを早くぶち壊したい!」“ガンホー”社長が目指す次のゲーム戦略とは。

スマホ用ゲームアプリ・パズル&ドラゴンズ(パズドラ)を開発したガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜社長が、東京ゲームショウ2013で「パズドラというフォーマットは早くぶち壊していきたい」と語った。テレビ番組『マネーの羅針盤』に出演した彼はその真意を説明したが、国民的ゲームに進化する上でそれは必要な道だという。ガンホーが次に目指すゲームはいったいどのようなものなのか。

東京ゲームショウ2013が開催された幕張メッセを、報道番組『マネーの羅針盤』でタレント・黒宮ニイナがレポートした。彼女は最も人々の注目を集めたガンホーのブースを訪れて、携帯型ゲーム機でプレーする新型“パズドラZ”に挑戦する。パズドラは初めてという黒宮も「凄く集中してくるので、ハマりますね」と興奮していた。

その会場で、ガンホー・オンライン・エンターテインメント社の森下一喜社長は「パズドラというフォーマットは早くぶち壊していきたい。逆に壊していかないとパズドラを超えることはできない」と今後の展開に決意を示したのだ。

9月28日の同番組では、スタジオにその森下社長を迎えた。進行役のジャーナリスト・蟹瀬誠一氏からパズドラの成功について感想を問われた彼は、「パズドラを作っている最中は面白くなることだけを考えていたので、大ヒットした今もあまり実感が無い」と答えたのである。それでも「プレーしているユーザーの姿を街中で見かけたりすると、嬉しくなって思わず声をかけたくなる」と彼はいう。森下社長の目線は常に“ゲームをして楽しむユーザー”にあるようだ。

幕張メッセでの「パズドラというフォーマットは早くぶち壊していきたい」発言については、今後のゲーム戦略の1つだと説明している。「現状破壊によって新しい価値を作ることと、既存の価値を最大化に利用する。この両輪が必要」だと彼は考えており、新しいものを生み出すには“今のガンホーを壊す”覚悟なのだ。

一方で、既存の価値を最大に利用するには「より良いサービスをゲームも含めて、長く愛される国民的ゲームとしていく」と構想を語る。彼はスマホの登場で「今までゲームをしなかった方々がゲームに触れていただけるチャンス」ととらえており、パズドラの大ブレイクに留まらず広く「ゲームの楽しさを実感してもらう」ことを目指している。

ガンホーがアンケートで把握しているパズドラを楽しむ世代は中高生から20代、40代くらいまでとなっているが、スマホを持たない子ども世代に向けて開発したのが携帯ゲーム機で楽しめる“パズドラZ”なのだ。

そうした新しい価値を加えると共に既存の価値が飽きられないように、コンテンツとサービスの一体化が重要だ。森下社長は「ゲームが面白いだけでなく、サービスと運営をセットにして継続的に長い期間使ってもらう」ものがガンホーが目指す次世代のゲームだと語った。

今もパズドラの人気は留まるところを知らない。芸能界でもロックバンド・シドのギタリストShinjiやGLAYのTERUがツイッターやブログでパズドラをしていることを公言している。他にもHKT48・指原莉乃やAKB48・北原里英、タレントの中川翔子からお笑い芸人の狩野英孝などがパズドラを楽しんでいるようだ。

そこまで浸透しているパズドラだが、どのゲームもそうであるようにやがてブームは下火になる。森下社長はすでにそれを見据えてこのような戦略を立てているのだ。今年の12月12日に発売予定の“パズドラZ”も単なるパズドラの新型ではなく、未来のゲームにつながる一歩なのである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)