番組収録で大怪我を負い入院している、お笑い芸人・スギちゃん。ブログによると彼は今まで、ほとんどの週末が地方での営業の仕事だった。報道ではスギちゃんのスケジュールは秋もびっしりで、多くのイベントや学園祭などへの参加が予定されていた。きっとたくさんの人が彼に会うことを楽しみにしていただろう。だが今回願いが叶わずガッカリしている観客を前に、スギちゃんの代役として舞台に立つタレントの心境を考えると切ないものがある。
9月8日から9日まで行われた青森放送主催2012“RABまつり”。このイベントのMCを務めているのが、青森出身のお笑いタレント・古坂大魔王である。彼の9月10日付のブログ『古坂大魔王のブログンだい魔くん!』によると、古坂は小学生の頃から青森放送のスタジオに見学に行ったり、ラジオ番組へ葉書をよく送ったりして、なんと常連大会で優勝したこともあるそうだ。そんな思い入れのある放送局が主催する大きなイベントのMC依頼は、古坂にとってこの上ない喜びだった。この“RABまつり”のMCの仕事は、10年ぐらいになるそうだ。
ブログによると、今年も2日間で8万人が来場したらしい。この大きなイベントの今年の目玉が、スギちゃんだったのだ。2012“RABまつり”のHPには、他のゲストより大きく写真が載っているスギちゃんの姿があった。
出演できなくなったスギちゃんの代役は、ダンディ坂野と狩野英孝の2人であった。移動時間を要する地方のイベントへ急遽、代わりのタレントを手配するのは大変だったであろう。無理に出演をお願いしている場合も考えられる。
今回、狩野には特別な事情があった。7日に父親を亡くした直後で、悲しみに暮れていたはずなのだ。だが狩野はイベントへの出演を断らなかった。代役で舞台に立つ本人の複雑な心境や辛さは、古坂も分かっていたのだろう。「この状況でのサプライズを受けてくれて、盛り上げてくれた姿勢に…泣きそうになった」と、ブログで感謝の言葉を述べている。
「狩野よ、お前は紛れもなく芸人だ!!」とも書かれている。多くのブログ読者も同じ気持ちだろう。
今年の前半は私生活のスキャンダルで、大きく株を下げた狩野。今回の父親の死を乗り越え、芸人としてひと回り大きく成長してくれるのではないだろうか。彼の中に芸人として生きて行く“覚悟”が、見えてきたような気がするのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)