エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】映画『わさお』の主演秋田犬に薬師丸ひろ子がよそよそしかったワケ?

映画『わさお』の3月5日公開に先立って、テレビ番組に宣伝の為にわさおと女優の薬師丸ひろ子が出演した時のことだ。
気のせいか薬師丸ひろ子がわさおとの距離を置いており、不慣れな印象さえしたのである。その理由が新聞の特集記事で薬師丸ひろ子によって明かされた。

2月11日放送されたテレビ「DON!」に映画の宣伝隊として訪れたのは、白い毛がふさふさの秋田犬とその飼い主。そして女優の薬師丸ひろ子だった。
秋田犬は青森県西津軽郡鰺ヶ沢町のイカ焼き菊谷商店の看板犬として有名になった『わさお』で、彼をつなぐロープを持つのが店主で飼い主の菊谷節子さんである。
一行はわさおがストレスを感じないようにと移動方法に配慮して、青森からキャンピングカーで15時間かけて東京へ到着したという。

MCの中山秀征(ヒデ)もわさおに「ふせ」や「お手」をさせようとするなどすぐに打ち解けた。もっとも、わさおはどっしりと構えてヒデの指示にはほとんど感心を示さなかったが。
そんなスタジオの和やかな空気の中で薬師丸ひろ子はわさおとの距離を置いて立っており、ほとんど触れることもなかった。それは『もしかして怖いの?』と感じさせる素振りにさえ見えたのだ。

だが映画公開前日、3月4日の西日本新聞朝刊に掲載された特集記事「映画『わさお』誕生」でその疑問が解けることとなった。
実は、薬師丸ひろ子は犬が大好きなのだ。しかし秋田犬のわさおは『人に触られることが好きではないので、わさおに触れるのは飼い主の菊谷さんだけ』ということに彼女も苦労したようだ。
撮影中には薬師丸とわさおだけになる場面も多く、慣れてくるとわさおから彼女に駆け寄ることもあった。
「私だったら触ってもいいのでは」と錯覚しそうになるのを抑えるのが大変だったと薬師丸は語る。
彼女のわさおへの配慮が前日の「DON!」のスタジオでよそよそしく映った態度の理由だったのだ。

スタジオでのわさおは、ヒデらの言うことを無視してどっしりと構えて寝そべっていた。
『菊谷さんの言うことだけは聞くんですよね?』と言われて飼い主の菊谷節子さんが「おすわり」と指示したが、やはりわさおはどっしりと動かなかった。
しかし、さすがにわさおを知り尽くした菊谷さんはためらいもなくロープを力いっぱい引っ張って、わさおを吊り上げるようにして「おすわり」させたのだった。

わさおを操れるのは菊谷さんだけであり、映画撮影で見せたわさおの名演は菊谷さんの協力があればこそだった。
「映画『わさお』誕生」の記事で、同映画の錦織良成監督は今回の映画ではベテランスタッフも含めて「2時間以上カメラをまわすことになってもイライラするのはやめよう」と意思確認したという。
これは、初めての犬の映画に向けて監督が最も心がけたことなのだ。「無理強いせずに撮ったわさおにはこれまでにない表情が出ている」と監督は話している。
映画『わさお』の癒しと感動をあたえてくれる内容に、公開後も話題が集中しそうである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)