エンタがビタミン

writer : techinsight

【エンタがビタミン♪】「流されて」「誘われて」「なんとなく」ここまで来た、フルーツポンチの成り行き人生。

お笑い芸人たちがコンビを組むきっかけは様々である。チュートリアルのように幼馴染みであったり、はんにゃのように養成所で出会ったり、南海キャンディーズ・山里のように相方に逃げられてしまったり。そしてフルーツポンチには、ちょっと異色なコンビ発足秘話があった。

「正式にコンビを組んだ覚えはない」。それは、8月4日の「はなまるマーケット」に出演したお笑いコンビ「フルーツポンチ」の、衝撃の事実であった。
いまや若手トップクラスの人気であるフルーツポンチ。ウザキャラを演じたらナンバーワンの村上はその演技力を生かして、ドラマ「ハンマーセッション!」にも出演中である。そんなフルポンであるが、じつはコンビを組んだのはあくまでも“練習”だったのだ。

NSC(吉本総合芸能学院)に入ったものの、しばらくは一人でやっていた亘健太郎村上健志。だが、ずっと一人でやっていくつもりではなくてコントネタを作っていた村上は、仲がよかった亘に頼んで練習につきあってもらった。それがうまくいったので授業で発表したところ、評判がよく、選抜クラスに入ることができた。あくまでも練習の延長であり、正式に「コンビを組もう」と言ったこともないそうだ。「フルーツポンチ」というコンビ名もあくまでも便宜上でつけたもので、そのときたまたま「フルーツポンチ」という言葉の語感が好きだったという村上が、ノリでつけたものだという。何度か改名を試みたものの、できずにここまで来てしまったとか。
まるで、“一緒にいるうちにプロポーズの言葉もなく、なんとなく結婚してしまった恋人同士”のようである。「お互いに『組もうと言ったほうが負け』みたいに思っている」と村上は言うが、信頼関係が成立していたので、言葉なんて必要なかったのかもしれない。

これだけが彼らの「成り行き人生」ではない。二人がNSCに入ったのもまた、成り行きであった。航空自衛官だった亘だが、その自衛隊に入ったのも「公務員になりたい」と思っていたらたまたま自衛官の知人に誘われて受けた試験に受かり、最初に希望していた海上自衛隊が空いていなかったので、そのとき空きがあった航空自衛隊に入ったという。その後は地元の友人とお笑いコンビを組む約束をしたものの、友人は就職。あきらめきれずに亘は一人でNSCに入ったそうだ。
そして「ちやほやされたくて芸能界に入りたかった」というのは村上。青山学院卒業後は映画学校に入ったが、そこで知り合った友人に誘われてNSCに入り直したそうである。

二人とも自分からではなく、誘われ、流され、なんとなくNSCに入って、そして今に至るわけだ。なにか運命的なものを感じるエピソードである。出会うべき二人が出会ったのであろう。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)