南アフリカの外国人排斥いわゆるゼノフォビア(Xenophobia)は2年前から激化している。ケープタウンではジンバブエ人が石を投げられ死亡した。また、ケープタウン市はゼノフォビアで避難した人々に避難所を退去するよう命令している。
南アフリカ人で仕事をもらえないのに、ジンバブエやソマリアからきた人が仕事をもらっている。ゼノフォビアの始まりはそこからだった。
サージェント・カニモ氏は寡黙な男性で、ジンバブエに住む妻と5人の子供のために働いていた。しかし4月2日、彼はジンバブエ人だったために撲殺されてしまった。
目撃者の女性は、血だらけの男性が庭に倒れているのを発見しショックを隠せないでいる。彼女は家に石がぶつかる音がしたので家の外をのぞくと、数人がハンマーなどでカニモ氏を殴り、倒れたカニモ氏をさらに殴り続け、ついには動かなくなるまで石を投げていたという。(ちなみに彼女が恐れたのは殺人を目撃したということよりも、カニモ氏の魂が成仏できずに家の周りに居続けるのではないかということだそうだ。)
また、22歳の女性はカニモ氏の事件は明らかにゼノフォビアだと憤っている。カニモ氏を殺害した男たちは「自分たちの住んでいる場所から外人を撃退してやる」と言っていたのを聞いている。カニモ氏をよく知る彼女はとても心を痛めているという。
仕事を求めて南アフリカに来た人々は、ゼノフォビアによる襲撃で住む場所を追い出された。ケープタウンではそういった人々を保護し特定の場所に住まわせていたが、ワールドカップ開催でその土地を使うという理由で退去命令を出した。
市は家族ごとにおよそ1000ランド(日本円約12000円)を支払うらしいが、いきなり放り出されて家族の命を危険にさらすのは恐ろしい、お金はいらないとその場所に住んでいる人々は憤りと落胆を交えながら語っている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)