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ジャストシステム、法人向けの文書品質向上ソリューション「ATOK CE for Windows」等を3月に発売

2009年末に登場したGoogle日本語は、インターネット上から収集された変換候補をただちにサジェストする機能で、衝撃を与えたのは記憶に新しいところである。難解な医学用語でも発音さえわかれば容易に変換できる利便性と無料で使えるカジュアルさにより、商用日本語変換エンジンの大御所ATOKがどう対抗するか注目されていた。
今般、ジャストシステムでは、「ATOK CE」を中心とした入力・校正ソリューションで業務効率を向上させるソリューションパッケージを発表し、有料ソフトの実力を改めて問いかける内容となっている。

「ATOK CE for Windows」は、 ビジネスシーンで便利な機能を搭載し、運用・管理の手間を軽減しながら、企業内で統一した入力環境を構築できる法人向けの日本語入力システムである。電子カルテシステムといった他社製システムと連携することもでき、より最適な日本語入力環境の構築を支援する。

「ATOK」で実際に入力されている言葉を収集できる機能を搭載しており、管理者は、収集した情報から、ATOK変換辞書に登録すべき言葉や表記ゆれしている言葉の抽出が簡単に行えるようになる。特定のグループやアプリケーションからのみの抽出も行える。現場のノウハウを反映したATOK変換辞書を共有することで、特有の表現や言い回しを入力時に確認し、文書作成に活かすことができる。

学習履歴やユーザー辞書、環境設定といった、各ユーザーの「ATOK」設定情報のすべてを他社製システムと連携させ、どの端末でも、同じ入力環境を実現できる。たとえば、電子カルテシステムに個人IDでログイン/ログアウトするたびに、ユーザーの「ATOK」に関する設定情報のすべてが復元/保存されるので、ユーザーはシステム内のどの端末を使っても、自分の入力環境を利用することができる。

「ATOKダイレクト for Excel」では、 Webなどの外部の情報を直接取得して、入力変換時にその情報を参照・活用できる「ATOKダイレクト」機能を、Excelファイルに対して利用できる「ATOKダイレクト for Excel」を搭載した。特定のフォルダにExcelファイルを置いておくだけで、Excelファイル内のデータを入力の際に直接参照できる。Excelファイル内のデータを変更するだけの操作で、部門やグループごとに更新した情報の共有が行える。

また、 「ATOK CE」を導入したことによる効果を可視化する。打鍵数や確定文字数などの推移や、「ATOK」で利用されている機能と作成した文書量などをグラフ化して提示するので、投資対効果を把握できる。「辞書配信システム5」とあわせて利用すれば、組織としての効果を測ることができる。

特に厳密な文体管理と統一を求められる対外文書の品質向上を図るべく、企業の総務部門や法務部門などにおいて集中管理を行うことで、企業全体の生産性向上に貢献するソリューションとなっている。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)