writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】さすがにあらびき団は格が違った

 5日深夜に放送された「あらびき団」(TBS系)にチュートリアル・福田が登場した。同じくTBS系で放送されている「侍チュート」内の、福田をあらびき団に出すことを目的としたコーナー「ふくびき団」が結実したのだ。

 福田が5日の放送で披露したのは、ふくびき団でも見せていた“バイクあるある”。バイクにまたがりバイク好きなら誰もが共感できるあるあるネタを言うのだが、アクセルの音でまったく聞こえないというものだ。結果、あらびきMC「ライト東野」から『こんな無駄な汗初めてや』と、この番組では大成功といってもいいコメントを引き出した。

 この放送に先立ち、4日の侍チュートでは収録の裏側を公開。その中で福田はこう言っている。『(自分は)ふだん甘やかされているんですね』――。

 けっして大きくはないスタジオ、観客はおらず、スタッフはみな真剣な目で舞台や機材を見つめている。あれほどおもしろい番組なのに、収録中には笑い声がまったくしないのだ。チュートがふだん甘やかされているかは私にはわからないが、福田からすればあらびきの収録風景はなじみのそれとあまりにもかけ離れていたのであろう。

 あらびきは本当におもしろい番組だ、ということは拙コラムで幾度となく力説してきた。しかしその裏側が、あれほどの厳しさに満ちたものだとは知らなかった。全力を尽くしてふざけたものを作っているなんて、お笑い番組の鏡である。

 どこかで見たネタ、どこかで見た芸人、ネタを披露するタイプの番組である以上この2つは多少はいたしかたない。しかしあまりにも、どこかで見た仕かけが多すぎる。おもしろかったものをただ真似、おいしいところを取ろうとして無残な姿になっていく番組が多い中、あらびき団が放つ毒々しい光は褪せることがない。これからも万人受けなど狙わずに、ふざけた番組であり続けてほしい。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)