writer : techinsight

【ドラマの女王】主演は老人?往年スターに食われる草なぎ君『任侠ヘルパー』

今回の【ドラマの女王】は、草なぎ剛主演『任侠ヘルパー』(フジテレビ系)。老人介護施設「タイヨウ」ロケ現場の施設が突き止められて、ネットで祭りになったり、必死の“復帰劇”でオクラ入りを避けた草なぎ剛主演の映画『BALLAD 名もなき恋のうた』にもまた夏川結衣が出ていたり、安田美沙子がただの運転手だったり、つっこむ所もあるにはあるのにさして話題にもならなかったこのドラマ。往年のスターたちによるリアルな入居者老人ぶりだけが心に残ってしまう。

「タイヨウ」に入所してきた鷲津組の組長(竜雷太)が自分を始末しようとする組員の尾国(鈴木一真)の謀反を知り、幹部らに命令して尾国を制裁する。その騒動の現場に、隼会若頭の鷹山源助(松平健)が現れ、翼彦一(草なぎ剛)や、四方木りこ(黒木メイサ)たちを巻き込んだ隼会と鷲津組の抗争を終息させた。

顧問として何かと「タイヨウ」のやり方の口を挟んできた、ハートフルバード社長の羽鳥晶(夏川結衣)は、かつて捨てた母親と同じ若年性アルツハイマーを患っていることが発覚するも、息子の涼太(加藤清史郎)には言い出せずにいる。日常生活の物忘れの多さから涼太も母を心配するが・・・・。

第一回の池内淳子から津川雅彦、倍賞美津子、ミッキー・カーチス(新婚!)、江波杏子、そして竜雷太。と、親世代のゲスト俳優が「入居老人」としてリアルな日本人の“老後”を演じ、さらにその息子や娘などの役で、西田尚美や忍成修吾など芸達者な若手俳優たちが共演、さらに彼らを迎えうつ「タイヨウ」には、仲里依紗や大杉漣、山本裕典などの人気俳優を配し、任侠グループは黒木メイサから松平健まで各世代上手く取り揃え、もう一つの敵・夏川結衣の手下にはムダに安田美沙子。「もう、草なぎ剛と加藤清史郎いらないよ!」っていうぐらいワラワラ人が出ている。

まさに豪華キャストのハイリスク、木村拓哉の『MR.BRAIN』なみに「SMAPわっしょい作戦」なドラマなのであるが、たくさん出演者がいる分主人公の翼彦一を演じる草なぎ剛の見せ場が少なくなってしまった。実際、任侠の草なぎは新しい魅力を見せてはいるし、女優も引き立っているのだが「黒木・仲・夏川、どれにするの?」的な展開はもっとたっぷり見たかった。この半分のキャストでも十分に面白いドラマが出来たに違いない。

多すぎる脇キャストの中で「勝ち組」は、実は隼会の構成員であり、彦一達の監視役だったヘルパーの零次を演じた山本裕典。とても『アタシんちの男子』で化粧していた子とは思えないカッコ良さを見せる。逆に、ジャニーズなのにパッとしない薮宏太(Hey! Say! JUMP)は「負け組」。同じ黄色着ている男が多くて目立たない存在に・・・・。
やっぱり同じ事務所だからと“ねじ込んだ”キャストはイマイチ光らないんだろう。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)