writer : techinsight

【3分でわかる】けいおん!

 4月スタートのアニメで瞬く間に話題をさらい、最終回問題がネットを騒がせている「けいおん!」。原作はまんがタイムきららで連載中の4コマ漫画である。

 物語は高校に入学したばかりの「田井中律」が幼なじみである「秋山澪」とともに廃部寸前の軽音楽部に入部するところから始まる。2人は合唱部に入るつもりだった「琴吹紬」を引き込み、最低限必要な部員はあと1人に。そこに軽音楽を『簡単なことしかやらない』と思い込んだ平沢唯がまぎれ込んで1つのガールズバンドが誕生した、かに見えたが……。

 日々の活動は紬が持ち込んだティーセットでのお茶会。初心者である唯にギターを教えつつ、中間テストや主に遊びが目的の夏合宿など、いたって普通の高校生活を満喫する。軽音部OGの教師「山中さわ子」を顧問に迎えて学園祭のステージに立つも、それが終わればクリスマス会に初詣と何事ももなかったように平穏な日常に戻っていった。

 この作品はバンドものでありながら、楽器を持っているシーンの方が少ない。楽器を置いてまで季節にまつわるイベントを律儀にこなし、ゆるいギャグを織り交ぜる様はさすが4コマ漫画といったところか。ちなみに時間の流れはいわゆるサザエさん方式ではなく、一年後にはみな進級し、新入部員も登場している。

 けいおんが連載されているまんがタイムきららは萌え系4コマの開祖といってもいい存在。この作品も例に洩れず、登場するキャラクターたちはみなかわいい女子ばかりである。

 天然少女、唯。クールな外見と裏腹に可愛らしい面を持つ澪。元気いっぱいの引っかき回し役、律。時折裏の顔を覗かせるおっとりお嬢様、紬。主要キャラクターだけでも安心して楽しめるステレオタイプがそろっている。アニメ化により人気に火がつくのも納得のラインナップだ。

 キャラクターが元々かわいいことに加え、バンドと全く関係のないコスプレもヒットの要因であろう。顧問のさわ子が生徒たちのために用意する衣装はなぜかメイド服であったり、スクール水着であったり、丈短浴衣であったりする。あざといまでの人気取りはあっぱれであり、一つの手法として納得させられてしまうのだ。

 アニメはもうすぐ最終回を迎えるが、原作漫画の方はとりあえず唯たちが卒業するまでは続くはず。連載途中からサザエさん方式にシフトすることも考えられるため、当分は楽しめそうだ。これだけの人気&騒ぎになった以上、アニメ2期の期待も高まる。絶望するファンたちよ、とりあえず、落ち着きたまえ。

(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)