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インフルエンザの流行シーズンにさしかかり、また新型ウイルス発生の危険性も再三報じられる昨今だが、思わず「できるかよっ!」とツッコミを入れたくなるような無茶な感染予防法が国によって大真面目に研究されているのをご存じだろうか。国内だけで最大64万人が死亡するといわれる新型インフルエンザのパンデミック(大流行)に備え、国土交通省では都市圏の鉄道での感染拡大を防ぐための通勤輸送法を調査・研究しているというが、そのあまりに現実離れした内容にはあきれるばかりだ。
同省のシンクタンク・国土交通政策研究所ではパンデミック時への対策として、東京都心部への交通機関による輸送人員の抑制策を検討しており、あわせてそれに基づいたシミュレーションを行っている。その資料などによると、ウイルスの飛沫感染を抑えるためには鉄道車両及び駅構内における各乗客の間隔を1m程度離すように人員輸送することが有効で、そのためには電車1台あたりの乗客数を40人に抑えて朝の通勤時間帯の乗車率を5分の1に減らす必要があるというのだ。
これを実践した場合、試算によると例えば朝8時台の通勤客が約6万1200人に上るJR東海道線の川崎~品川間では、通勤時間を午後2時台まで分散させても輸送できるのは通勤客全体のわずか34%だという。これでは感染は防げても都市機能が完全にマヒしてしまうだろう。
そもそも、このシミュレーションをしているお役人たちも、毎日ラッシュにもみくちゃにされながら霞ヶ関まで通勤している身のはず。資料中でも「相当の社会経済的条件が整わなければ困難」としているが、困難以前にそもそも不可能であることぐらい自分たちが一番身にしみて分かっていそうなものだ。このような思案を重ねたところでえ想定しこねくり回したところで、実際の予防にどれほどの効果があるというのか。
去る22日には都内の東京メトロ車両基地で、実物の電車を使って実験(この方針に沿って乗客が間隔を開け座った場合に乗れる人数や乗降にかかる時間などを調べたもの)を行ったというが、それよりもっと根本的な封じ込め策に国を挙げて急ぎ取り組んだほうがいいと思うのだが・・・新型ウイルスはいつ発生するか分からない。もしかしたら今日にも産声をあげるかも知れないのだから。
(編集部:綱川朋彦.)
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