イギリスのある農場で飼育されているロバは、胃の中の食べ物が消化されずに蓄積されてしまう病気に悩まされていた。病状は深刻で、食べることができなくなってしまったロバを救うため、獣医は24リットルものコーラを使った奇想天外な治療を施した。大量のコーラで治療した結果、無事に胃の詰まりは解消され、ロバは新しい仲間とともに元気に過ごしているという。英国放送協会『BBC』などが伝えた。
英デヴォン州シドマスにある農場「Slade House Farm」で飼育されているロバ“ジョーイ(Joey、15)”は、ある時からまったく食事を摂らなくなってしまったため、スタッフが心配していた。
この農場を本部にしてロバの保護活動を行う団体「The Donkey Sanctuary」の獣医であるジェイミー・フォレストさん(Jamie Forrest)は、すぐに腹部超音波検査や鼻からカメラを通して胃カメラの検査を行い、ジョーイの体調不良の原因を調べた。そして検査の結果、ジョーイの胃の中に大きな塊があることが分かった。
これは「Gastric impaction」と呼ばれる病気で、摂取したものが胃の中で消化されずに蓄積されてしまう症状を呈する。通常、摂取したものは胃から小腸へ向かうが、それが胃の中で塊となって次第に大きくなり、小腸への流れをブロックしていた。
食事を摂らなくなってしまったジョーイの症状は深刻で、ジェイミーさんは胃の詰まりを解消するための治療方法を考えた。そして思いついたのは、コーラを利用した治療だった。
「1日に6リットルの砂糖が入ったコーラを3回に分けて使用し、4日間かけて治療を行いました。胃の中にある塊を柔らかくして溶かし、腸の方へ流れていくようにしたのです」とジェイミーさんは話す。
ジェイミーさんはジョーイの鼻にチューブを通し、コーラを胃の中に直接流し込んだそうで、