英バーミンガムにある食料品店ではここ数年、多数の万引きが発生していた。警察に訴えてみたものの対策はしてくれず、自身でどうにかできないかと考えた店主は、店内に設置していた防犯カメラの映像を利用することにした。犯行の瞬間を捉えた映像をInstagramやTikTokなどで公開すると、万引きが減っただけではなく、犯人が謝罪しに店に戻ってくることもあったという。目を見張るほどの効果が出た対策の詳細を、英ニュースメディア『Birmingham Live』などが伝えている。
今回注目を集めているのは、英ウェスト・ミッドランズ州バーミンガム市ウィンソン・グリーンにあるジャマイカ食料品店「Mr Khan’s」だ。35年も続くこの店を父親と一緒に経営するダニー・カーンさん(Danny Khan、34)はここ数年、後を絶たない万引き被害に苦悩していた。
公式の犯罪統計によると、生活費の高騰が影響し、ウェスト・ミッドランズ州における食品の盗難件数は2倍に増加している。ウェスト・ミッドランズ警察の記録では、盗難商品は2022年に1572点だったものが、2023年には3138点に上ったという。
「万引きは何年も前から問題になっていますが、最近はかなり悪化してきています。厳しい時代であることは理解していますので、チャリティやフードバンクに寄付をしています。お客さんたちは家族のようなものなので、大変な状況であることを教えてくれれば、私たちは手を差し伸べます。しかし、万引きする人が増えてきて、もううんざりしているんです」とダニーさんは現状を説明した。
ダニーさんの店では、多い時で週に9件もの万引き被害に遭っていると言い、その度に警察に通報した。しかし警察官が来てくれたことは一度もなく、自分たちで対策を講じるしかなかった。ダニーさんは店内に42台もの監視カメラを設置し、移動は一方通行にするなど様々な万引き防止対策を行った。
そしてこれらに加え、