高い知能を持ちながら獰猛な性格で“海のギャング”として知られるシャチだが、スペイン沖では船がシャチに襲われる事故が頻発している。シャチによる攻撃を受けた航海士や乗客の恐怖体験を豪ニュースメディア『9News』などが伝えた。
英リーズ在住のベテラン航海士グレッグ・ブラックバーンさん(Greg Blackburn)は今月2日、操縦していたヨット「ババリア46号(Bavaria 46)」がモロッコの港町タンジェ近くのジブラルタル海峡を航行中、6頭のシャチから攻撃を受けた。
当時、ヨットは時速46.5~55.6キロ(25~30ノット)の風と2~3mの高波の中を進んでいたため、グレッグさんは「ヨットが波のうねりから落ちて、少し抵抗を受けたのだろう」と考えていた。
しかし2回目の衝撃を受けてヨットは跳ね上がり、3回目の衝撃で舵が別の方向を向いてしまった。
その瞬間、グレッグさんは「間違いなく(ヨットの下に)何かがいる」と確信したそうで、当時の状況をこのように振り返っている。
「その後、初めてシャチたちの姿を目視しました。」
「最初に2頭の大きなシャチが体当たりを始め、さらに4頭が加わりました。ヨットに大きな損害を与えるようなね。」
「彼らを見て『ああ、なんてことだ』と思いましたよ。その時点でできることはあまりありませんからね。」
ヨットを取り囲み、攻撃を仕掛けるシャチの様子をグレッグさんは動画に収めたが、うねりの激しい波をものともせずヨットの後方に近寄る1頭の大きなシャチが、船体の下に潜り込んでいく様子が映っている。
そして大きなシャチがヨットから離れると、