北アイルランドの保護施設にいた犬に新しい飼い主が決まったが、初めての散歩で突然逃げ出して、そのまま1か月も姿を消してしまった。新しい飼い主のもとで幸せに暮らすはずだった犬が、なぜそんな行動をとったのか。それは子犬の頃から一緒に過ごした前の飼い主への深い愛情に導かれた結果だった。離れ離れになった前の飼い主への強い思いが、この犬を60キロもの長い旅路を乗り越えさせたことを、英ニュースメディア『The Mirror』などが伝えている。
ゴールデンレトリバーの“クーパー(Cooper)”は、北アイルランド北西部ロンドンデリー州トバモアで、兄弟である“ジョージ(George)”と一緒に飼われていた。しかし飼い主は2匹を手放さなければならない状況となり、心苦しくも保護施設に2匹を引き渡した。後日、ティロン州ダンガノンに住む写真家のナイジェル・フレミングさん(Nigel Fleming)が、愛犬のゴールデンレトリバー“モーリー(Molly)”の同居犬を探すために保護施設を訪れた。そこでクーパーと出会ったナイジェルさんは、クーパーを新しい家族として迎えることを決めた。
4月1日にクーパーを家に連れて帰ったナイジェルさんは早速、クーパーとモーリーを散歩へ連れていくことにした。車に乗せて少し遠出をし、2匹を車から降ろそうと扉を開けた瞬間、クーパーが飛び出したかと思うと全速力でどこかへ駆けていってしまった。ナイジェルさんはすぐに周囲を捜索したが、クーパーの姿は見つからなかった。その後、迷子ペットの捜索を行う団体「Lost Paws NI」や他の飼い主の協力を得て、迷子犬ポスターを作成して昼夜問わず捜し続けたナイジェルさんだったが、