腎不全を患い、腎臓移植手術を心待ちにしていた女性が、ビーチで偶然出会った女性から腎臓提供を受けたというニュースがイギリスから届いた。2019年に移植待機リストに登録するも適合者が見つからず、手術を受けられずにいた女性に運命的な出会いをもたらしたのは愛犬のドーベルマンだったという。英ニュースメディア『BBC News』『WalesOnline』などが伝えている。
英ウェールズのケアフィリで暮らすルーシー・ハンフリーさん(Lucy Humphrey、44)は、ループス(全身性エリテマトーデス)を患っている。この病気は自己免疫疾患で、全身のさまざまな臓器に炎症や障害を引き起こす。
ルーシーさんは2000年に初めてループスと診断され、長年にわたって病気と共存してきた。しかし2017年に末期の腎不全と診断され、それから2年後の2019年に医師から「生き延びるためには5年以内に腎臓移植が必要」と告げられたという。
その後、移植待機リストに登録するも適合者が見つからず、手術を受けられずにいたルーシーさんだったが、2021年6月に運命的な出会いを果たした。当時のことをルーシーさんはこのように振り返っている。
「病気が悪化する少し前、私とパートナーのセニッド(Cenydd Owen、49)は、飼っているドーベルマンの“ジェイク(Jake)”と“インディ(Indie)”を連れて旅行ができるようにキャンピングカーを購入しました。でも治療の関係でなかなか出かけられなくて…。2021年6月にようやくアベリストウィス(英ウェールズの西海岸沿いにある町)への旅行を計画したのですが、人工透析治療を受けているために2泊以上はできず、キャンセルせざるを得ませんでした。そして代わりにグラモーガンのバリー(英ウェールズ南東部にある町)のコールドナップビーチに行くことにしました。そこで1人の女性と出会ったのです。」
「彼女はバリー出身のケイティ・ジェイムズさん(Katie James、40)で、私たちの車から100ヤード(約91メートル)ほど離れた別のキャンピングカーで編み物をしていました。インディが彼女のところに行ったり来たりしたため私たちは謝りに行ったのですが、その時に会話が弾んでケイティさんをバーベキューに招待したのです。そして飲み物を買ってきてくれたケイティさんに、人工透析を受けているためお酒が飲めないこと、また腎臓移植が必要なことを話しました。すると彼女は最近ドナー登録をしたことを明かし、『ぜひ提供したい』と言ってくれたのです。私たちは電話番号を交換し、翌日には移植コーディネーターに連絡しました。でも正直なところ、この先は何もないだろうと思っていました。というのもセニッドと彼の友人のひとりが腎臓の提供を申し出てくれましたが、どちらも適合しませんでしたから。医師によると、完璧な適合者が見つかるのは約2200万分の1の確率だそうです。」
しかし詳しい検査を受けた結果、