自らをがん患者と偽り、非営利団体や学校、会社、そして善良な市民などから多額の寄付金を騙し取ったとして先月末、米アイオワ州のTikTokerの女(19)が逮捕された。逮捕のきっかけは、TikTokの動画を見た医療関係者が女の医療機器の使用方法に疑問を呈したことだった。米ネットメディア『Good Morning America』などが伝えている。
米アイオワ州スコット郡ベッテンドルフに住むマディソン・ルソー(Madison Russo、19)が先月23日、がんと偽り400人以上から480万円超(約37000ドル)を騙し取ったとして第一級窃盗罪で逮捕された。
マディソンはTikTokやクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を通し、「自分はステージ2のすい臓がんと急性リンパ性白血病に苦しんでいる。また脊椎を包むようにアメフト用ボールほどの大きさの腫瘍がある」と嘘をつき、多額の寄付を集めていた。また地元の新聞社のインタビューを受けたり、通っていたアイオワ州のセント・アンブローズ大学を含む複数のチャリティ団体や組織にゲストスピーカーとして出向き、がんとの闘病について語っていた。
同州のエルドリッジ警察がマディソンの捜査に乗り出したのは先月11日、警察に医療関係者らから「マディソンのSNSの投稿には医学的な矛盾点が多数見られる」「血管内に薬剤を投与するためのポートの付け方がおかしい」「きちんと消毒などが行われていないのでは?」「医療用テープを使用していない」といった指摘があったことがきっかけだった。またほぼ同じ時期にTikTokのユーザーからも「医療機器の付け方が通常と違う」といった声があがっていたという。
警察はマディソンが病院ではなく自宅で撮影を行っていたこと、実際のがん患者がSNSに投稿した写真を盗用していたこと、普段利用していた病院ではがんの診断を受けた記録がなかったことなどを明らかにしており、