中国の20代の男性が先月末、中国版TikTok「抖音」に投稿した1本の動画が多くの人の心を揺さぶり拡散している。動画は末期がんの母が男性に最後の料理を作る後ろ姿を捉えたもので、男性は涙が溢れて止まらなかったという。偉大なる“母の愛”を『ETtoday新聞雲』などが伝えている。
中国・遼寧省大連出身の鄧(デン)さんは先月中旬、同省瀋陽市に住む母をがんで亡くした。
鄧さんの母ががんと診断されたのは今年2月のことで、「家族や親戚に心配をかけるといけないから」と病気のことを息子以外の誰にも告げずに治療を続けてきたという。
鄧さんは母のことを「とても強く、独立心の強い人でした。化学療法を受け、どんなに痛みが酷くても、決して不満を口にすることはありませんでした」と語り、「一生忘れることはないだろう」という亡くなる前のエピソードについてこのように明かした。
「ある日、母から『何か食べたいものはある?』と聞かれました。それはちょうど母が3度目の化学療法を終えて数日後のことで、母に『一緒に来て欲しい』と頼まれて市場でケルプ(海藻)、ジャガイモ、肉を買ってきたのです。」
「そして帰宅すると、母はキッチンに行って料理を始めました。私はその間、リビングに座っていたのですが、母の背中を見ているうちに涙が溢れて止まらなくなりました。」
「母はすでにかなり衰弱していましたが、私のために精一杯の料理を作ってくれたのです。料理が終わった母は息をするのも苦しそうで、長い間、身体を休めていなくてはならないほどでした。」
鄧さんが撮影したキッチンに立つ母は、