臓器移植には一定のリスクが伴うため、臓器提供に踏み切る人にはそれなりの覚悟がいることだろう。アメリカのある男性も従兄弟の命を救うために腎臓を提供したところ手術は成功したものの、健康のリスクではなく金銭的なリスクに脅かされそうになったという。『ProPublica』『UNILAD』などが伝えている。
米報道機関『ProPublica』が今月11日、従兄弟に腎臓を提供したエリオット・マリンさん(Elliot Malin)に降りかかった問題を報じたところ注目が集まった。米ネバダ州に住むエリオットさんは、昨年2月に従兄弟のスコット・クラインさん(Scott Kline、28)の母親から1通のメールを受け取ったという。
件名には「スコットが腎臓を必要としている」とあり、スコットさんが末期の腎不全で人工透析が必要になる寸前だと綴られていた。彼の母親は腎臓の提供者を探すべく可能な限り多くの知り合いに連絡を取り、適合性検査を受けるようお願いしていたようだ。
メールを見たエリオットさんの覚悟は決まっており、幼い頃から一緒の時間を共にしてきた従兄弟の命を救うべく、その場でオンラインにて適合性検査の申請をしたそうだ。エリオットさんは「『スコットを助けたい』その気持ちしかありませんでした」と語っている。検査の結果、エリオットさんの腎臓が適合することが判明し、昨年7月に移植手術を受けて手術は無事成功した。エリオットさんとスコットさんは互いに喜びあったという。
エリオットさんは手術から3日ほど経ってから病院を退院し、徐々に普通の生活を取り戻しつつあった。しかし手術が終わった翌月、エリオットさんのもとに「血液検査代」として19.15ドル(約2200円)の請求書が送られてきた。ちなみにアメリカでは、臓器提供者は移植に関わる費用を一切負担することはなく、レシピエント(臓器移植を受ける)側の保険で全て賄われるルールとなっている。
エリオットさんは請求書についてすぐに病院に連絡を入れると、