昨年9月、行方不明になった愛猫を探していた飼い主に訃報が届いた。突然の愛猫の死に気持ちが追いつかなかった飼い主だが、周囲の助けを借りて乗り越えていった。それから約9か月が経ち新しい猫を迎えて再スタートを切った矢先、愛猫の亡骸を確認して火葬までしていた飼い主に「あなたの猫がうちにいます」と保護団体から連絡が届いたという。事の顛末を『980 CJME』などが伝えている。
カナダ南部サスカチュワン州サスカトゥーン市在住のデジレー・ハビンズさん(Desiree Hobbins、26)は昨年9月に旅行から帰ってくると、茶トラの愛猫“ツェッペリン(Zeppelin)”が見当たらないことに気付いた。
ツェッピー(Zeppy)と呼んで可愛がっていた愛猫は、デジレーさんがグレード12(高校3年生)の時から一緒だったという。
「迷い猫ポスターを作って貼り出し、近所の人にも声をかけました。昼休みには仕事場から自宅に戻り、ツェッピーを探し続けました」と話すデジレーさんは、Facebookにも投稿して懸命に捜索を続けていた。
「どうか無事であってほしい」と願っていたデジレーさんのもとに、悪い知らせが届いた。
同地域の迷子ペットを探す団体「Regina Lost and Found Pets」が同市内のウィニペグ通り北部で死んでいる猫がいたと情報を公開し、デジレーさんの友人がこれを目にした。
友人たちがデジレーさんの代わりに本当にツェッピーかどうかを確認しに行くと、「たくさんの写真を見比べて、ツェッピーの特徴がほとんど一致したの。残念だけどこの子はツェッピーだと思う」とデジレーさんに伝えた。
その後、ベルベットのドレスに包まれて箱に入れられた動かないツェッピーと悲しい対面をしたデジレーさんは「猫の姿を見て、すぐにツェッピーだと分かりました」と当時を振り返っており、辛すぎる事実を受け入れざるを得なかった。
ツェッピーの亡骸を一時的に預かっていたアニマルシェルター「レジャイナ・ヒュメイン・ソサイエティ(Regina Humane Society)」のスタッフからツェッピーをどうしたいか尋ねられたデジレーさんは、その場で財布から300カナダドル(約2万6千円)を取り出し、火葬をお願いした。
デジレーさんは「信じられませんでした。人生で最も辛い出来事3つのうちの1つに入るほど悲しかったです」と話しており、長年一緒に過ごしてきた愛猫を亡くした喪失感はあまりにも大きかった。これを乗り越えるため、デジレーさんはツェッピーに捧げる歌まで作ったという。
ツェッピーの遺灰を近くにあるハイキングコース、ワスカーナ・トレイルズに散骨したというデジレーさんは「私はただ自分の人生を続けようとしました。恋人がツェッピーの顔が入ったマグカップを作ってくれ、友人たちはツェッピーの写真を写真立てに入れてリビングに飾ってくれました」と明かす。
周囲の人の助けを得てなんとか悲しみを乗り越えていったデジレーさんは、今年1月には新しく“マグノリア(Magnolia)”と名付けた子猫を飼い始め、ツェッピーを失った寂しさを埋めていった。
ところがマグノリアとの生活に慣れ始めた今年5月、