東京オリンピックの男子シンクロ高飛び込みで金メダルを獲得したイギリス代表のトム・デイリー選手(27)が、記者会見で自身がゲイであることについて語った。トムは2013年にカミングアウトした当時を振り返り、「どんなことでも成し遂げられる」と若い世代のLGBTQ+に向けて励ましの言葉を送った。
26日に行われた東京オリンピックの男子シンクロ高飛び込み決勝で、イギリスのトム・デイリーとマティ・リーが中国の曹縁と陳艾森に勝利し、金メダルを手にした。
トムは2008年のヨーロピアン・チャンピオンシップで史上最年少の13歳で金メダルを獲得、同年開催の北京オリンピックでは14歳で初出場し、7位を記録した。
今回の試合後に記者会見を行ったトムは、「自分がゲイであること、そしてオリンピックのチャンピオンであることを信じられないほど誇りに思う」と述べ、成功の背景にある自身のストーリーを明かした。
「僕は2013年にカミングアウトした。若い頃の僕はいつも孤独で人と違っていて、どこか違和感があって、どこにも属さない人間のように感じていた。僕には社会が求めているような良い人間には絶対になれない―という何かがあったんだ。若いLGBTの人には今、どんなに孤独を感じていても、君は1人じゃないってことを知ってもらいたい。どんなことでも成し遂げられるんだ。」
トムはこれまでに、ロンドンとリオで開催したオリンピックでそれぞれ銅メダルを手にしている。2017年には米国人脚本家ダスティン・ランス・ブラック氏と結婚、翌年には代理母により息子ロビーくん(3)をもうけた。夫とはLGBTQ+の権利活動も行っている。
会見席で中国選手とロシア選手の間に座ったトムは、