数時間後には逮捕された。このスピード逮捕には、アリッサちゃんが残した証拠が重要な手掛かりになったという。

逮捕された男はジャード・ポール・スタンガ（Jared Paul Stanga、30）で、アリッサちゃんはジャードに捕まった際に青い絵の具が混ざったスライムをジャードの腕に擦り付けていたのだ。

「お母さんと一緒によく見るテレビドラマ『LAW ＆ ORDER：性犯罪特捜班』の中で、スライムを使って犯人に印をつけるシーンがあったのを覚えていて、犯人を探すのに何か証拠があった方がいいと思ったの。」

今回ジャードの捜索にあたった同州エスカンビア郡保安官事務所のチップ・シモンズさん（Chip Simmons）は、逮捕に至った経緯を次のようにコメントした。

「容疑者としてジャードの名が挙がったので自宅へ向かうと、監視カメラに映っていたのと同じシャツを着ていました。車のバンパーは違う色に塗り替えられていましたがその形が似ていたこと、そして何よりもジャードの腕全体が青いスライムで覆われていたのです。」

アリッサちゃんによると、2週間前にも白い車に乗った男が話しかけてきたことがあったという。これがジャードと同一人物かは明らかになっていないが、このことをアリッサちゃんは母親や学校に伝え、しばらくは母親と一緒にバス停まで行っていた。しかしこの日だけは母親がおらず、ジャードに狙われてしまったようだ。

ジャードは13歳未満の子供の誘拐未遂、加重暴行などの罪で起訴された。また子供への性的虐待の犯罪歴があることも明らかとなっている。裁判官はジャードに150万ドル（約1億6千万円）以上の保釈金を設定したと報じられており、現時点でジャードは保釈されていない。今後ジャードが保釈された場合には監視下に置かれ、18歳未満の未成年者とは監督なしで接触することはできないという。

チップさんは「アリッサちゃんは今回の事件で切り傷を負い、トラウマを抱えてしまいましたが、母親と共に乗り越えてくれると信じています。またバス停での安全性についても、学校側から子供達に伝えるように指導しました」と話しており、このように続けた。

「私達はアリッサちゃんが諦めずに戦ったこと、そして起きたことを親に伝え、ご両親がすぐ我々に連絡してくれたことを称賛しています。彼女は正しいことをしたのです。」

画像は『TODAY　2021年5月21日付「How watching ‘SVU’ helped this 11-year-old identify suspected kidnapper」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）