認知症と診断されたイギリス人の元音楽教師が、即興でピアノ演奏する姿がSNSで大きな話題となった。メディアが取り上げると瞬く間に注目され、BBCフィルハーモニー管弦楽団とコラボしたシングル曲が11月1日にリリースされることが決定した。その収益は全て、認知症とアルツハイマー病患者を援助する2団体に寄付されるという。『BBC News』『Daily Express』などが伝えている。
英サセックス州に住む元音楽教師のポール・ハーヴェイさん(80)は、昨年末に認知症と診断された。その後、ポールさんは記憶に頼りながらピアノ演奏をしたり、楽曲を作成していた。
そんなポールさんの姿を見た息子で作曲家のニックさんは父が即興でピアノ演奏する姿を撮影し、SNSで動画を公開した。ニックさんは動画にこのようなメッセージを添えた。
「父の即興で美しいメロディーを作る能力には、いつも驚かせられます。今夜は父に即興で演奏してもらおうと、私が4つのコードを選びました。認知症が悪化しているにもかかわらず、この瞬間は昔の父を思い出させます。」
パジャマを着たポールさんが美しい旋律をピアノ演奏する姿はSNSで大きな反響を呼び、英時間26日時点で62,000件以上の「いいね」が付けられている。ポールさんの演奏は現地時間9月21日の世界アルツハイマーデーにBBC Radio 4で流され、リスナーから「オーケストラ演奏をしてほしい」とのリクエストが届いた。
その要望に応えてBBCフィルハーモニー管弦楽団のメンバーが、ポールさんの楽曲をフルオーケストラ用にアレンジした。各楽器を担当した演奏家が自宅でそれぞれのパートを録音し、