「子犬工場」を意味するパピーミルで何度も出産することを余儀なくされ、身体が衰弱するほどのストレスを負ったマルチーズの雌犬が、世界で最も可愛い保護犬コンテストで優勝した。悪質ブリーダーのもとで飼われたこの犬は全部の歯が腐っていたほか耳の形がつぶれ、いくつかの腫瘍ができていたという。『People.com』『Metro』などが報じた。
マルチーズ犬の“Lamb Chop(ラムチョップ)”は、2014年12月にクリスティン・シューベルトさん(41)に保護犬として引き取られた体重約5.4kgの雌犬だ。保護される前には「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれる悪質なブリーダーに6年以上も飼われていた。営利目的の繁殖のために複数回出産させられ、ストレスのため身体が衰弱していたという。
そんなラムチョップはペディグリー社が提供する米誌『People』主催の「第3回世界一可愛い保護犬コンテスト」に参加し、1万匹以上の可愛い犬たちと競い合った結果、見事優勝の座に輝いた。
優勝したラムチョップには、1年間のドッグフードの供給と飼い主が選択する動物救済への寄付金1000ドル(約10万円)が贈られた。さらにアメリカの朝の番組「グッド・モーニング・アメリカ」にも出演する予定だという。
飼い主のクリスティンさんは、以前に保護猫として引き取った“Seven(セブン)”が他界したため、米ウィスコンシン州スリンガーにある動物保護施設「ワシントン郡動物愛護協会(Washington County Humane Society)」を訪れ、保護を必要とする動物との繋がりを求めた際にラムチョップと出会った。
クリスティンさんは「犬を飼うつもりはなかったのですが、とても小さなラムチョップの姿に心が打たれたのです。でも保護された時、地元の獣医が歯を全部抜かなければならなかったそうです。歯が腐っていたのですよ」と明かしている。
全ての歯を失った結果、ラムチョップの舌は口から出ている状態になった。パピーミルでは動物を獣医に診せていなかったため、