出産時に赤ちゃん全てを亡くし心に深い傷を負った犬が孤児だった3匹の子猫を受け入れ、まるで我が子のように世話を始めた。そして母を知らない子猫たちは母犬に寄り添って眠り、お乳を飲んで甘え、母子の間には強い絆が生まれた。心温まるニュースを『ABC15 Arizona』『Animal Channel』などが伝えた。
動物保護団体「サンシャイン・ドッグ・レスキュー(Sunshine Dog Rescue)」の創設者アニータ・オサさん(Anita Osa)は7月中旬、メキシコの国境に近い米アリゾナ州のガソリンスタンドの近くで1頭のメス犬を見つけた。その犬はオーストラリアン・シェパードのミックスと思われ、どことなく落ち着きがなく妊娠していた。アニータさんはその犬を“ジョージア(Georgia)”と名付けて保護し、フェニックスにある保護施設で出産を見守ることにした。
ジョージアの分娩が始まったのは8月14日のことで、最初の2匹は生まれて間もなく亡くなった。その後は分娩が進まず、異常を察したアニータさんはジョージアを連れて獣医のもとへと車を走らせた。しかし車の中でも1匹が死産、病院で行われた緊急帝王切開でも2匹が未熟児で死産だった。獣医はジョージアの子宮に異常があるのを発見し、検査のために組織が採取された。
アニータさんは、5匹全ての赤ちゃんを亡くしてしまったジョージアについてこう語っている。
「これまでたくさんの犬の出産に立ち会ってきましたが、赤ちゃん全てが死んでしまった母犬というのは初めてのケースでした。ジョージアは出産した夜、赤ちゃんの匂いが付いたベッドのマットレスを引き裂き、必死に我が子を探していたようです。それは悲しく、ジョージアはまるで気が狂ってしまったかのように取り乱していたのです。」
「身体の傷は癒えても、心の傷が癒えるのは時間がかかります。私たちはジョージアが少しでもリラックスできるようにと鎮静剤を与え、心臓の音がするぬいぐるみをそばに置きました。そうすることでジョージアは少しだけ落ち着きを取り戻したようでした。」
それでも「何とかしてあげられないか」と考えたアニータさんは、