英国の退役軍人トム・ムーアさん(99)が9日、NHS(国民保健サービス)への募金活動に挑戦した。100歳の誕生日を迎える4月30日までに、全長25mの自宅庭を歩行器で100周することを目標に立てたトムさんだったが、わずか1週間で1300万ポンド(約17億円)以上の寄付金が集まり、16日朝には見事100周を歩き抜いたという。
英ベッドフォードシャー州に住むトム・ムーアさんは、第二次世界大戦で活躍した退役軍人だ。4月30日に迎える100歳の誕生日に向けて、NHSの病院や医療従事者への募金活動を始めた。トムさんはかつて皮膚がんと人工股関節置換術の手術を受けて回復しており、医療従事者への感謝を込めて募金活動を思い付いたそうだ。
トムさんは9日、クラウドファンディングサイト「JustGiving」で「トムが100歳の誕生日にNHSのために歩く」と題したページを設置した。誕生日までに全長25mの自宅庭を100周歩行し、1000ポンド(約13万4000円)の寄付金を集める目標を立てた。トムさんは歩行器を使いながら、一日に10周ずつ歩いた。
この活動を『BBC News』などが取り上げると、SNSでたちまち話題になった。世界中から66万人以上が寄付し、16日正午には1300万ポンド(約17億円)以上が集まり、しかも16日の朝には目標だった100周の歩行を成し遂げたのだ。当初の目標を遥かに上回ったため、トムさんは追加で100周歩行することも考えているという。
15日の朝、トムさんは自宅から『BBC News』のインタビューに応じた。目標以上の寄付金が集まったことについては「まったく、現実とは思えない」と述べ、