クローゼットには他にもたくさんの衣装があるといい、それには事情があった。ジョンさんは、パートナーのニーラさんや10代になる2人の子供たちと暮らしている。4人は毎年12月26日に英国北東にある街サウス・シールズで開催するがん基金のイベントに参加しているそうだ。12月26日はボクシング・デーと呼ばれる英国の祝日で、「ボクシング・デー・ディップ」と呼ばれるチャリティイベントではコスチュームを着て海で泳ぎ、寄付金を集めるのだ。その際に使用したコスチュームがクローゼットに溜まっていたことから、今後も配達時に着ていく予定なのだという。
ジョンさんが配達する地域に住む女性ゾーイ・グラントさんは、彼の仕事へのひたむきさと住民への温かい心遣いをこのように称賛している。
「ジョンは、地元の住民たちに本当に前向きなメッセージを送ってくれているわ。ウイルスは悲観的なものじゃないってね。それに、こんな状況でも社会を動かしたり命を救うために働いている人たちが楽しんで仕事をすることができるのよ。ユーモアと誇りを持ってね。」
「ジョンが私たちの配達員であることを、誇りに思うわ。次のコスチュームが楽しみでたまらないの。」
なおジョンさん自身は、今後も仕事を継続できるのかと不安を抱えているという。しかし現在も馴染みの地域で配達を行い、愛する住民たちに会えるという自分の運の良さに感謝しているそうだ。
画像は『Metro 2020年3月31日付「Postman delivers in fancy dress to cheer people up during lockdown」(Pictures: North News/NCJ Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)